何が違うんですか!?「F-22とF-35どっちが強いか」米軍パイロットに聞いてみた「スマホと同じですよ」

F-22乗りに聞いてみた「F-35ってどうよ?」

 筆者がインタビューを行ったのは、F-22のパイロットであったディキンソン少佐(階級は当時)です。ディキンソン少佐は2016年から約2年間、エアショーでの展示飛行を行う「F-22デモンストレーション・チーム」のパイロットとして活躍していた生粋の戦闘機乗りです。

 この「F-22デモンストレーション・チーム」というのは、航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」のように、基地や空港で開催されるエアショーイベントでF-22を操って展示飛行を行う専門のチームです、彼はそこのレギュラーメンバーでした。

 ディキンソン少佐はデモパイロットになる以前にもF-22乗りとして約8年のキャリアを積んでおり、そのうち3年間はF-22の教官として後進の育成にも従事。操縦経験だけでなく「F-22に対して一言」と聞けば「Love Raptor!(ラプター大好き!)」と即答するくらい、この機体に愛着を持っているパイロットでした(現在はアメリカ空軍を退役)。

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アメリカ本土のエアショーでアクロバティックなデモ飛行を披露するF-22「ラプター」戦闘機(布留川 司撮影)。

 そんなディキンソン少佐にF-22とF-35の違いについて聞くと、一番に挙げたのは搭載しているエンジンの数でした。

「2つの戦闘機の大きな違いは機動性です。F-35は1つのエンジンで、F-22は2つのエンジンが搭載されています。F-35とF-22は同じように優秀なフライトコントロールシステムを持っていますが、2つのエンジンがあるF-22の方が機動性は上です。そう考えるとF-35はドッグファイターとしてはデザインされていないとも言えます。任務についても、F-35の任務の比率は対地攻撃の方がやや多く、F-22の場合は制空任務の方により多く割り振られています」

 F-22とF-35の機動性の違いは、アメリカ空軍の公式スペックデータでも見て取れます。最大速度についてはF-22がマッハ2以上なのに対して、F-35はマッハ1.6に留まっています。また、上昇限界についてもF-35が5万フィート(約1万5000m)に対して、F-22は5万フィート“以上” とされています。

 ちなみに、F-22の上昇高度については今年(2023年)2月4日、アメリカ本土上空に侵入した中国の高高度偵察気球を撃墜した際、高度5万8千フィート(約1万7000m)まで上昇してミサイルを発射しており、その機動性が数値だけではないことを実証しています。

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