ウクライナに「グリペン」戦闘機も? 供与なるか F-16より“ウクライナ向き”な理由

ウクライナへのF-16戦闘機の供与が遅れるなか、ゼレンスキー大統領はもうひとつの選択肢、スウェーデンの「グリペン」供与へ道筋をつけようとしています。グリペンはF-16よりもウクライナに向いていると言えそうです。

見えてくる「ウクライナがグリペンを望む理由」

 グリペンをはじめとするサーブが開発してきた戦闘機は、他国の戦闘機に比べて整備が容易で、イギリスで2003年に出版された書籍には、F-16などの同世代(戦後第4世代)戦闘機に比べて、1飛行時間あたりに必要な整備要員の数は半分から3分の1程度で済むとの記述があります。

 またグリペンは設計段階より、任務を終えて基地に帰還してから再出撃するまでの時間の短縮に重きが置かれており、同世代の戦闘機が帰還から再出撃までに2~3時間を要するのに対し、グリペンは10~20分程度で済むともされています。このため、より少ない機数で同等の作戦が行えると書かれた資料もあります。

 これらの記述が事実が否かを判断する術を筆者は持ちませんが、事実であると仮定したら、グリペンは戦闘機の数だけでなく人的資源においてもロシア航空宇宙軍に劣るウクライナにとって、F-16よりも使いやすい戦闘機なのではないかと思われます。

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タイ王国博物館に展示されているJAS39C「グリペン」(竹内 修撮影)。

 筆者は2016年、サーブの航空機部門の拠点が置かれているスウェーデンのリンシェーピンで、グリペンのシミュレーターのソフトウェア開発現場を取材したことがあります。この時筆者が目にしたディスプレイには、グリペンが精密誘導爆弾でロシアの揚陸艦と装甲車両を爆撃するシチュエーションのCGが映し出されていたことが印象に残っています。

 スウェーデン政府が本当にウクライナにグリペンを供与するのかは未知数ですが、ロシア(ソ連)の侵攻からスウェーデンを守るために開発され、冷戦終結後もその能力に磨きをかけ続けているグリペンが、ウクライナにとって魅力的な存在であることは確かだと筆者は思います。

【了】

【確かに使いやすいかも…】グリペンとウクライナ機のコックピット(写真)

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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