200年使われるかも!? 世界で愛用される重機関銃「ブローニングM2」は何がスゴイのか 誕生90年

2023年に誕生90年の節目を迎えたM2重機関銃。「12.7mm重機関銃」や「M2ブローニング」などの名前で知られるこの銃は、どのような要求で生まれ、メジャーになったのでしょうか。

ウクライナ軍も使い始めた傑作重機関銃

 たとえば、約1万3000機が生産されたボーイングB-17「フライングフォートレス」爆撃機は1機当たり10~13挺、約1万6000機が生産されたリパブリックP-47「サンダーボルト」戦闘機は1機当たり8挺を搭載していました。一方、約5万両が生産されたM4「シャーマン」中戦車も、1両に1挺ずつM2を備えていました。単純計算でもかなりの数のM2が生産されたことがわかるでしょう。

 しかし、この需要はあくまでも大戦が激しさを増していたから。そのため戦争が終わると、一転してアメリカ軍内の一部から、旧式のM2重機関銃更新論が唱えられるようになります。これを受け、後継となる新型重機関銃の開発が始まりますが、その後もアメリカが朝鮮戦争からアフガニスタン紛争に至るまで、継続して戦争を行い続けた結果、新型に切り替えられることなく使われ続けています。

 というのも、これらの戦争を通じてM2の評価はますます高まりこそすれ、悪評はほとんど生じなかったからです。

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護衛艦に搭載され、射撃訓練を行う海上自衛隊の12.7mm重機関銃(画像:海上自衛隊)。

 こうして「100歳超えの老兵」ながら代替なき貴重な名銃M2は、現在もなお「代替なき老兵」「オールド・フィフティ」「マ・デュース(Mを「マ」、2を「デュース」と読み換え)」「ビッグ・フィフティ」などといった愛称で親しまれ、使われ続けています。

 日本の自衛隊はもちろんのこと、東アジア周辺国を見渡してみても、M2重機関銃を全く使っていないのはロシア、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)、中国ぐらいなもの。韓国、台湾、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インドネシア、オーストラリア、ニュージーランド等々、使用している国の方が圧倒的に多いのが実情です。

 最近では、ロシアによる侵攻を受け、祖国防衛のために戦っているウクライナ軍も使うようになっています。一説によると、全世界で300万挺以上が使われているといわれているM2重機関銃。100年以上使われることは間違いなく、もしかしたら200年選手になる可能性も否定できないかもしれません。

【了】

【大きさどれくらい?】12.7mm弾をペットボトルやスマホと比べてみた(写真)

Writer:

東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。

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コメント

1件のコメント

  1. 圧倒的欠点は安全装置がないこと。射手は射撃直前に装填しなければならず即応性に劣る。これはアフガンで大分問題になった。

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