需要爆上がり レオパルト1持ってる国どこだ! ドイツの「横流し作戦」でぼったくりの応酬!?

ウクライナで、古い第2世代戦車のニーズが急上昇。これに目を付けたドイツが、供与のため第2世代戦車を保有する各国からの調達を模索しますが、それぞれの利害もあり一筋縄ではいきません。そこで持ち上がったのが「三角取引」です。

ここでも「三角取引」提案、どうするスイス

 これらの在庫を手に入れるため、ドイツ政府は一計を案じます。マルダー歩兵戦闘車の際にも使った「三角取引」の提案です。ギリシャからレオパルト1A5を100両買い取ってウクライナに供与し、その穴埋めにイタリアにあるスイスのルアグ社所有のレオパルド1A5の96両をギリシャに提供するというものです。

 ギリシャの戦車保有数はほとんど減らないうえに、補充される戦車はドイツ政府が全額負担のもと、ギリシャの施設またはギリシャ政府が選択する場所で完全なオーバーホールと修復を受けられます。ギリシャが保有するレオパルト1A5は、予備保管や訓練用でほとんど近代化改修されていないものでした。

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トルコ陸軍のレオパルト1A5。ギリシャと対立関係にあるトルコも同じレオパルトユーザー(画像:トルコ国防省)。

 ただしスイス政府の立場も微妙です。最終的には連邦議会の承認が必要になりますが、ウクライナへの納入は拒否するも、ウクライナへの供出で手薄になったNATO加盟国への補充なら武力紛争当事国ではないということで認める、という方向です。

 これほど複雑な取り引きが行われるまで、第2世代戦車の市場価値が爆上がりするとは誰が予想したでしょうか。

 2019年にルアグ社は、ドイツのグローバル・ロジスティクス・サポート社に25両のレオパルト1A5をわずか1万4133ドル(約200万円)で売却しました、1両当たり560ドル余り(約8万円)で、ほとんど屑鉄回収費です。これら戦車は、もともとルアグ社が2016(平成28)年に1両約4万8000ドルで仕入れたことが分かっており、2019年の安すぎる売却額は大きな差損を出し背任にもつながりかねない問題になりました。そのため、ルアグ社が損を取り返そうとばかりに売却価格を「吹っ掛けてくる」ことは間違いなさそうです。

【了】

【おい…】ギリシャさん、レオパルト1A5いっぱい持ってるじゃないか(写真)

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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