ロシアが「沈没船」を活用してウクライナに対抗?その目的とは
7月にウクライナの無人艇がクリミア大橋を攻撃していました。
クリミア大橋周辺に「沈没船」を活用した水中障壁を構築か
イギリス国防省は2023年9月1日(金)、ウクライナ紛争の状況に関する分析を更新。ロシアがクリミア大橋(ケルチ海峡大橋)をウクライナの無人水上艇(USV)による攻撃から守るために、意図的に沈没させた船や水中フェンスを配置して水中障害物を構築するなど、防備を強化していると明らかにしました。
クリミア大橋は、ロシア本土とクリミア半島を結ぶ橋で、ロシアによるクリミア併合後に完成。道路だけでなく、鉄道も併設されています。ウクライナのへルソン州やザポリージャ州に展開するロシア軍部隊の兵站輸送は、このクリミア大橋とフェリーに依存する形になっているといいます。
クリミア大橋には兵站輸送における重要性以外にも、ロシアによるクリミア占領を象徴するインフラとしての側面もあるため、ロシアは橋の防護にリソースを割かなければならない状況になっています。
イギリス国防省は、ロシアが輸送ルートの遮断を防ぎ、橋に対する攻撃の被害を最小限に抑えるべく、防空システムなどの積極的防衛手段と並行して、煙幕発生装置や水中障壁などの受動的防衛を採用していると指摘しています。
2023年7月17日にウクライナの無人水上艇「シーベイビー」に攻撃された橋の南側には、160m間隔で複数の船舶が配置されていると分析。また、レーダー追尾型ミサイルを阻止するデコイ(おとり)設置したバージ(はしけ)を試験したり、トラックに搭載した発煙装置を配備しているそう。この発煙装置は、2023年8月12日に空からの脅威が差し迫った際、実際に使用されたとしています。
【了】
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