なぜ!? 常磐線からの上野東京ラインだけ「品川止まり」 直通したら便利そうもできないワケ

ダイヤ乱れ時に厄介となる

 なお常磐線にはE531系のほか、直流専用のE231系が品川~取手・成田(成田線直通)間で運行されています。こちらの車両であれば、性能的には東海道本線のE231系とほぼ同じ。東海道本線のE231系が取手駅まで乗り入れる代わりに常磐線のE231系が東海道本線に乗り入れれば、E531系の新造よりは安くつくかもしれません。

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品川駅で並ぶ東海道本線のE231系と常磐線のE531系(2023年9月、児山 計撮影)。

 しかし常磐線のE231系はトイレもグリーン車もない通勤形で、遠距離の運用を想定していません。そして特に、ダイヤが乱れた際に車両の融通が難しくなるという懸念が出てきます。

 たとえばE531系が小田原方面まで直通したと仮定します。ダイヤが乱れたとき、東海道本線と宇都宮線、高崎線の車両であれば、形式が同一なので、柔軟に行先の変更が可能です。しかしE531系がそこに加わると、運転整理の際に「取手以北へ直通できる車両か否か」という判断が必要となり、ダイヤの柔軟性が損なわれます。

 そのため常磐線の電車は、車両の新造を極力しないで済む範囲で旅客の利便性を向上させ、かつ折り返しができる設備を持つ駅ということで、乗り入れを品川駅までとしているのです。

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