「成田まで20分」目指す京成 「世界最速」から66年の小田急 スカイライナーとロマンスカー“中の人”対談 速さに必要なものとは
速度と快適性の工夫とは
「新AE形では、弊社で採用してこなかった新機軸が多いです。例えば『アルミ車体』。軽量化のためにそうしました。台車も軽量化のため、部品を減らしたボルスタレス台車としています」
「列車識別装置の搭載も特徴です。地上からの信号を、この装置で受信した列車のみ、運行システムが160km/h運転の許可を出します。また、高速運転時は、架線からパンタグラフが離れやすい。これを避けるために、架線に押し付ける力を強くする必要があるのです。そのため、パンタグラフの材質を、金属含有量を増やしたメタライズドカーボンとしました」
「高速走行は車両側の工夫だけではダメで、北陸新幹線で採用されている38番分岐器と呼ばれる、高速通過用ポイントも採用しました」(京成電鉄 廣瀬氏)
続いて小田急電鉄の鈴木氏も「高速運転に際しては」と、「SE」の様々なヒミツを披露します。
「例えば運転手保護のため、『SE』では前頭部の窓と運転士の間に、防弾ガラスの仕切りを採用しました。ガラスが割れても運転士を保護してくれますが、実用性が低いため、以降のロマンスカーでは使わなくなりました。また低重心化のため、車体の高さを抑制し、乗務員室の扉ですら高さ1.4mに抑えました。後継車の『NSE』と『LSE』にも踏襲されましたが、現在では採用していません。車両と車両の間に台車を置く連接台車も、高速運転に有用として採用しました」(小田急電鉄 鈴木氏)
話題は「ブレーキ性能」に移ります。
鈴木氏は「小田急では『SE』で初めてディスクブレーキを採用しました。車輪と車輪の間に円盤があり、それを両側から挟んで止めるブレーキです。車輪にブレーキシューを押し付けるブレーキだけだと、高速では止めきれない。『SE』では1枚ディスクでは止めきれず、2枚ディスクとなりました。最新の『GSE』でも採用されています」と話しました。
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