「成田まで20分」目指す京成 「世界最速」から66年の小田急 スカイライナーとロマンスカー“中の人”対談 速さに必要なものとは
ボギー台車vs連接台車 今後は…?
トークショーの最後は、両社がお互いに質問する時間に。小田急電鉄の鈴木氏は「京成さんが羨ましいと思う点は、線路幅が広いことです。3m近い車体を小田急は1067mm幅の線路で支えていますが、京成さんは1435mm。線路幅が広いと安定性がよくなります。京成さんは線路幅の利点をどう考えますか」と質問しました。京成電鉄の廣瀬氏は「脱線・転覆をしないという観点で有利ですね」と返答します。
対して「小田急さんは外部デザイナーが入っていますが、得失をどう考えますか」と質問。鈴木氏は「デザイナーが入ることはメリットですが、作るのが難しいです。実現するんだと心をひとつにし、デザインに合わせた機器を作る中で、スタッフやメーカーの結束が強くなります」と答えました。
参加者からの質問は「『GSE』はボギー台車、『VSE』は連接台車ですが、現代では連接台車には利点があるのですか」というもの。
小田急電鉄の鈴木氏は「乗り心地では連接車が上です。デメリットは通常の長さで車体を作ると、車輪数が減って軸重が重くなるので、車体を短くする必要があることです。今後採用するかはわかりませんが、技術力は維持しています」と返答しました。
また、筆者(安藤昌季:乗りものライター)が京成電鉄の廣瀬氏に「都心から成田空港まで20分台で結ぶためには、北総鉄道内での160km/h運転などが必要と考えますが、課題は何でしょうか」と質問したところ、「信号システムなどの入れ換えが必要で、そこが課題ですね」と回答しました。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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