他機と作業どう違う? ANA巨大機「オレンジのA380」初の機体洗浄… 21年受領も”乗客未踏の機体”
他の機体とは一味違う「ホヌ3号機」の洗浄作業
エアバスA380は「世界最大の旅客機」の愛称をもつほど、巨大な機体です。そのため、車両でけん引し格納庫へ機体を収める作業では、何度も途中で停止し、位置を確認しながら所定の場所まで運ばれました。
この機の高さは24.1m。ANA格納庫では、ドアの天井に尾翼がぶつかってしまうのを防ぐためか、扉部分の上部がくり抜かれています。何度も車両を止めて慎重に運ぶのは、このくり抜きに尾翼を正確に通すためでしょう。
担当者はA380の洗浄について「とにかく大きく、表面積が大きいのが特徴だ」と話します。そのためこの機の洗浄作業は、普段の1.5倍まで人員を増やし実施するそうです。
「フライングホヌ」をはじめとするANA機の洗浄は、人の手で行われます。3種類の洗浄剤を使い分け、スタッフがスポンジ状のパッドやブラシなどを持ち、機体をゴシゴシとこすります。
担当者によると、コロナ禍以前、機体洗浄は100日前後をめどに実施するのがスタンダードだったとのこと。ただ、この「フライングホヌ」3号機は2年間ほぼ地上にいたため、他の機体とは異なる状況だったようで、担当者は作業にあたり、「野ざらしになっていたことで、雨垂れの汚れが多いです。ただ、飛んでいるなかで着いた油汚れではないので、比較的落としやすいかなと思います」とコメントしたうえ、次のように話しています。
「2年間汚れて止まっている姿を見ていたので、やっと洗えるという気持ちです。安全に、怪我をしないように、そして飛行機を壊さないように作業をしています」
ANAによると、洗浄作業を終えた3号機は28日中に成田を出発し、海外で整備を行う予定とのことです。
【了】
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