よくぞ残った「戦車改造ブルドーザー」お披露目! 80年前の戦車、改造を重ねた数奇な歴史

静岡県御殿場市のNPO法人が80年前の旧軍戦車を改造したブルドーザーを入手しました。一見すると建機ですが、足回りや変速機はオリジナルのまま。かなり貴重な車両を今後どうするのか、NPO代表に話を聞きました。

用途に合わせて何度も改造 でも車体はオリジナルのまま

 この改造ブルドーザーを入手したNPO法人「防衛技術博物館を創る会」の小林雅彦代表理事によると、この車両は最近まで北海道で使われていたものだといいます。もともとは更生戦車として民間に払い下げられましたが、その後はオーナーと用途に合わせて改造が3回も行われているそうです。つまり、現在の形は某アニメ風にいえば「第3形態」というべき状態なのです。

 改めてこの車両の足跡を振り返ると、最初の「民生機第1形態」と呼べるのが、戦後にGHQの監督下で「更生戦車」としてブルドーザーに改造された状態になります。

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2023年5月の第61回静岡ホビーショーで展示された九五式軽戦車。これもNPO法人「防衛技術博物館を創る会」の所有車(布留川 司撮影)。

 その後、1955年頃にブルドーザーの役割を終え、代わりに製材所で材木などの重量物を引っ張る牽引車として使われることになります。この間の1965年頃にオリジナルの九五式軽戦車の空冷ディーゼルエンジンを、バスなどに使われているいすゞ製のDA120水冷ディーゼルエンジンに載せ替えています。

 また、エンジンから履帯に動力を伝えるトランスミッション(変速機)も、もともと搭載していた九五式軽戦車のモノをそのまま残し、新たにDA120についたトランスミッションを増設。これにより、変速機が2つあるダブル仕様へと姿を変えています。

 小林代表理事によると「1速と1速のダブルミッションにした場合、最高速度は時速1キロ程度になりますが、代わりにトルクが非常に強くなり、材木などを引っ張るには便利だったと思います」とのことでした。

 更生戦車の顔とも言えるブルドーザーとしての排土板と、その取り付け機構がすべて外され、牽引車になった状態が「民生機第2形態」になります。

【シフトノブが2本!?】オリジナル変速機が残ったままの運転席回り(写真)

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