自衛隊だけじゃない アメリカ陸軍も「人手不足」深刻 どう対策するのか? 背景にZ世代のホンネ
軍そのものに対する不信感も?
そのため、アメリカ陸軍では、2028年までには少なくとも3分の1が高卒以上の学歴を持つ人材とすることを目指していくそうです。さらに新兵募集の方法にも改善を加え、リクルーター専門の新しい部隊を創設することも計画しています。
ランディ・ジョージ陸軍参謀長はこの専門部隊を創設する狙いについて「データ管理、調査設計、労働市場分析、マーケティング、運営、調達などの面で、専門家がサポートする採用担当者で構成される実験チームの必要性を感じた。どこにいても、適切な人材にアプローチできるツールと人材が必要だ」としています。
なお、アメリカでは、軍に対する若者の不信感や恐怖心も強くなっているという指摘もあります。
アメリカ政府が、いわゆるZ世代と呼ばれる今の若者に意見を聞いたところ「兵役に就いたら怪我をしたり殺されたりするのが怖い」という意見や「人種的偏見や性的暴行などの報告を聞いた」などの批判的なコメントが集まっているといいます。事実、2023年6月にシンクタンクのブルッキングス研究所が発表したアメリカ人の軍に関する世論調査の結果でも、信頼感は過去25年間で最低の60%になっており、軍の信頼度が高めの同国では異例の事態となっています。
【了】
コメント