「零戦」の正体はアメリカ軍機だった!? あらゆる軍用機に扮した「テキサン」の七変化 名優か大根役者か
日本軍機に似た見た目のため重宝される
「テキサン」は細身の低翼単葉機というフォルムで、アメリカが運用した単発プロペラ機では最も日本軍機に似ていました。さらに1万5000機以上も生産され、民間にも払い下げられているため入手も容易。ちょっと改造すれば日本軍機っぽく見えるので、現在もアメリカのエアショーで日米の空戦が再現されると、決まって日本軍機役になるほどです。
『トラ・トラ・トラ!』では、零戦や九七式艦攻などの日本軍機役として登場。その劇中機は、改造により零戦21型の翼端折り畳み機構も再現されており、「テキサン・ゼロ」という通称でファンのあいだでは有名です。
その後も1987年公開の『太陽の帝国』では零戦52型として、1992年の『エイセス/大空の誓い』では、麻薬組織の野望を阻止するため、対地ミサイルを搭載した改造零戦役で出演し、日本人パイロットの堀越役で出演していた俳優、千葉真一さんの愛機となっていました。
実は邦画でも出演経験があり、1960年公開の『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』では、九七式艦攻を意識した機体で使用され、1963年の『太平洋の翼』では、逆にアメリカ軍艦載機役として登場しています。
現役時代は名教官として世界各国でパイロットの育成を担当し、引退後は、銀幕の舞台へ転身した「テキサン」ですが、この役者としての評価は、“ほぼ現存機がない日本軍機を堅実に演じた名優”という意見もあれば、“あまりに不格好で「大根役者」だった”という意見もあるなど賛否が分かれています。
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