海運「2050年ゼロエミ“必達”」下された号令 可能なの? 新燃料船は今どうなっているのか

IMO(国際海事機関)の新戦略により、海運業界は 2050年にカーボンニュートラル“必達”となりそうです。それを達成するための新燃料船の開発や実用化は、どこまで進んでいるのでしょうか。専門家は“陸側の取り組み”も求めています。

ここまでできてます!新燃料船

 日本では2021年10月から350億円の「グリーンイノベーション基金」を活用した「次世代船舶の開発」プロジェクトに着手。水素・アンモニアなどを燃料とするエンジン、燃料タンク、燃料供給システムなどの開発が進められています。2023年5月には世界に先駆けて大型アンモニアエンジンによるアンモニア燃料と重油の混焼運転試験が始まりました。

 同プロジェクトによれば、アンモニア燃料船については2026年から実証運航を開始し、2028年までのできるだけ早い時期に商業運航をする予定。水素燃料船の実証運航は2027年から開始し、2030年以降の商業運航を目指しています。

 最近の具体的な動きとしては、川崎重工業が開発を進める16万立方メートル級の大型液化水素運搬船の受け入れ地として2023年3月に川崎市の臨海部が指定され、液化水素を大量に輸送する事業の確立を目指して日本郵船、商船三井、川崎汽船が協力することになりました。9月から10月にかけては常石造船がメタノール焚きの5900TEU型コンテナ船やカムサマックスバルカー(ギニアのカムサ港に入れる最大サイズのばら積み船)を相次いで受注しています。

 11月には日本郵船グループのNYKバルク・プロジェクト(NBP)が住友商事グループの大島造船所と、アンモニア焚きハンディマックスバルカー(世界のほとんどの主要港に入れる最大サイズのばら積み船)を2020年代後半以降の建造検討で合意しました。建造隻数は10~15隻。チリの国営企業コデルコが輸出している銅製品の輸送に投入される予定です。

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日本郵船らが開発しているアンモニア燃料アンモニア輸送船のイメージ(画像:日本郵船)。

 内航分野では商船三井グループの商船三井さんふらわあが、国内初のLNG(液化天然ガス)燃料フェリー「さんふらわあ くれない」「さんふらわあ むらさき」を2023年から大阪~別府航路に投入済み。2025年には大洗~苫小牧航路でもLNG燃料フェリーが運航を開始する予定です。

 このほか2022年から、動力源に大容量リチウムイオン電池を搭載した旭タンカーのEVタンカー「あさひ」「あかり」も登場し、川崎港を拠点として東京湾内で外航船に燃料輸送・燃料補給を行うバンカリング船として運航されています。同船は航行や離着桟、荷役、停泊中の船内電源といった船の運用に必要な電力を全てバッテリーで賄うことができ、CO2を排出しない完全ゼロエミッション運用が可能です。

【見た目スゴ…】もうすぐ登場する日本初の水素燃料“旅客船” 知ってますか?(写真)

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