新幹線“最古参”500系まだ安泰? 封じられた「時速300キロ」 想定では320キロ!?
ちょっとおトク感のある6号車
また、前頭部が長い形状のため先頭車両の側扉が1か所のみとされました。ただ先頭車両の普通車の座席間隔を、300系の1040mmから1020mmに減らしたことで、編成定員では1人多い1324名となっています。先頭車両の普通車は絞り込んだ前頭部形状の関係で荷物棚が設置できず、床置きの荷物置き場が設置されています。
こうした問題点は、N700系では解消されています。500系は2008(平成20)年より短編成化の改造が行われ8両編成となり、編成番号もWからVに変更されました。この際、8号車の新大阪寄りに「子ども用の疑似運転台」が設置されています。
4~6号車は2+2列座席とされ、特に6号車は元グリーン車ということもあり高い快適性を備えています。なお、パンタグラフの変更やパンタグラフカバーの関係で300km/h運転には非対応となり、「こだま」として285km/h運転も行っています。
2010(平成22)年に「のぞみ」運用から500系が撤退。しかし、子どもや鉄道ファンからの高い人気もあって、V2編成(旧W2編成)が2014(平成26)年より「プラレールカー」に、2015(平成27)年よりアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』とタイアップした「500 TYPE EVA」に、2018年より「ハローキティ新幹線」に改装され、注目を集めています。
特に1号車はこうしたタイアップ企画の展示室となっており、「プラレールカー」では大型ジオラマ、「500 TYPE EVA」では「エヴァンゲリオンの実物大コクピット」、「ハローキティ新幹線」では物販コーナーも備えたフリースペース「HELLO! PLAZA」となっています。「ハローキティ新幹線」は2023年12月現在も運行されており、「こだま842号」「こだま849号」で限定運用されています。
登場から四半世紀以上が経過した500系。しかし近年は行先表示機がフルカラーLEDに換装され、その活躍はしばらく続きそうです。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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