かつてのライバル戦闘機ニコイチで誕生! メッサーの血を引くスペイン機が今も“戦い続ける” ワケ

スペイン生まれの戦闘機HA-1112「ブチョン」は、ドイツの名機メッサーシュミットBf109と似ています。なぜ似ているのか、実はそこに出自の秘密が隠されていました。しかも実戦経験は皆無なのに、「とある戦場」では大活躍しているそうです。

かつて敵だった戦闘機どうしを「合体」!

 HA-1109-J1Lは、スペインの飛行機メーカーであるイスパノ社が、同国国内に残置されていた未完成のBf109に、自社製のイスパノ・スイザ12Z液冷エンジンを搭載したものでした。これによって、何とか使える戦闘機を手に入れたスペインは、この技術を基にドイツの敗戦後もHA-1109-J1Lを量産し続けます。

 その後、各部を改善しエンジン出力を向上させた発展型としてHA-1112-K1Lを開発。1951年に初飛行を成功させると、同機を65機生産しました。

 このHA-1112-K1Lのさらなる性能向上型がHA-1112-M1Lになります。こちらは1954年3月29日に初飛行しました。本型はイスパノ・エンジンに代えて、かつてはBf109のライバルとしてたびたび戦ったイギリスのスーパーマリン「スピットファイア」やアメリカのノースアメリカンP-51「マスタング」に搭載されていたロールスロイス「マーリン」液冷エンジンを搭載したのが特徴です。

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HA-1109ならびにHA-1112の原型となったBf109G戦闘機(画像:ドイツ連邦公文書館)。

 第2次世界大戦中には考えられない敵同士の戦闘機部材のニコイチ。こうして生まれたHA-1112-M1Lは172機が生産され、1965年12月27日まで現役でした。

 なお、オリジナルのBf109G-2にはダイムラーベンツDB605液冷エンジンが搭載されていたため、機首周りはほっそりとしていましたが、ロールスロイス製の「マーリン」を搭載したことで、HA-1112-M1Lの機首は下部が張り出すシルエットとなりました。

 ちなみに、この「顎下が張り出した」スタイルから、「ブチョン」という愛称で呼ばれるようになります。ブチョンとはスペイン語でポーター種の鳩のことで、本種は頭の直下にある首部分の素嚢(そのう)が前に膨らんでおり、これがHA-1112-M1Lの機首下部の張り出しに通ずるとして付けられたといわれます。

 結局、「ブチョン」が戦火の洗礼を受けることはありませんでした。では、冒頭に記した「とある戦場」で大活躍、とはどこかというと、それは銀幕の中です。

【メッサーシュミットに見える?】色んな塗装のHA-1112を角度さまざまで眺めてみる(写真)

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コメント

1件のコメント

  1. 映画「アフリカの星」に使用されたのは、「イスパノHA-1109」が使用されています。

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