能登地震で招集の「予備自衛官」って? ほぼ一般人だが有事は自衛官 どれだけガチなのか?
「予備自衛官」を補う人たちって?
なぜ、即応予備自衛官はこのような訓練を行うのでしょうか。それは、即応予備自衛官がメインとなって構成されるコア連隊は、有事の際には常備自衛官で構成される軽普通科連隊と同様の戦力として復元されるから、というのが大きな理由です。
簡単に説明すると、普段は方面混成団という主に教育を司る部隊の隷下となっているコア連隊が、有事の際には第一線で戦う師団や旅団の普通科連隊として活動することが想定されているからです。
たとえば、東京を中心として関東甲信越をカバーする東部方面隊には、東部方面混成団という部隊があります。そこには神奈川県の横須賀市にある武山駐屯地に本部を置く「第31普通科連隊」と、群馬県榛東村の相馬原駐屯地に本部を置く「第48普通科連隊」があります。
この第31普通科連隊は、有事の際には第一線部隊である第1師団の指揮下に入り、同師団に常設されている他の普通科部隊、すなわち第1、第32、第34の各普通科連隊と共に行動することになっています。
だからこそ、即応予備自衛官には年間30日の訓練出頭が求められると言えるでしょう。
なお、即応予備自衛官は陸上自衛隊のみの制度で、海上自衛隊と航空自衛隊にはありません。もし、もともと海上または航空自衛官で、自衛隊を辞めた後に即応予備自衛官を志願する場合は、陸上自衛隊の非常勤隊員になる必要があります。そのため、即応予備自衛官部隊には陸だけでなく、海空の隊員も意外と所属していたりします。
こうして1997(平成9)年以降は制度上、2種類になった予備自衛官ですが、それから5年後にはさらに新たな制度が加わりました。それが「予備自衛官補」です。
予備自衛官補とは、自衛官経験がない一般人でも予備自衛官や即応予備自衛官になれる制度として新設されたもので、陸上自衛隊では2002(平成14)年に、海上自衛隊では2016(平成28)年から始まりました。
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