自衛隊屈指のエリート「パラシュート部隊」に密着 脅威のスピード降下からの“着地術”とは? 能登には“あえて行かず”
駐屯地のシンボル「降下塔」からジャンプ!
その後、最終訓練として行われるのが、習志野駐屯地のシンボル的存在である「降下塔」での訓練です。
約80mある降下塔に訓練用の落下傘ごと吊り上げられ、あるタイミングで落下傘が切り離されると、フワフワとはいえないスピードで地上まで降りてきます。
見ていると、降下速度が速いように感じますが、空挺訓練生は見事な着地姿勢で次から次へと地上に降り立っていきます。
こうして一連の訓練を終えたのち、基本降下課程の〆として実施される実機からの降下は、駐屯地から車で5分ほどの距離にある習志野演習場で行われます。
ここでは、陸上自衛隊のCH-47大型輸送ヘリや航空自衛隊のC-2輸送機などが支援部隊として参加します。もちろん、航空自衛隊の輸送機は習志野演習場に降りることはできないので、空挺訓練生は海上自衛隊の下総航空基地(千葉県柏市)や航空自衛隊の入間基地(埼玉県狭山市)などに移動してから、輸送機に乗り込みます。
気象条件などにもよりますが、スケジュールどおり実機からの降下を5回経験すれば、空挺訓練生には空挺徽章が授与され、一人前の空挺隊員としての第1歩をスタートするのです。
なお、仮に実戦となれば、1回でも実機から降下すれば空挺徽章の着用を許されるとのことですが、幸いにも陸上自衛隊は実戦経験がないため、過去に1回の降下で空挺徽章をゲットした隊員はいないといいます。
厳しい訓練を乗り越えた者だけに与えられる空挺徽章。ある意味では特殊能力ともいえるスキルですが、これはあくまでも多岐に渡る陸上自衛隊の作戦を遂行するための手段のひとつでしかありません。
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