「農業用トラクターです」箱を開けたらT-34!? ソ連の傑作戦車の原型を“アメリカから輸出”した男

第2次世界大戦時のソ連で傑作と呼ばれた戦車がT-34ですが、実はこれ、アメリカ人発明家が秘かに売り込んだ試作車を元にして完成したものでした。ましてや売り込んだ当時は大戦前、アメリカはソ連を国家承認していなかった頃です。

ソ連の傑作戦車T-34はアメリカ生まれ?

「今思えばソ連に売り込んだことが良かったのか。後悔している」

 

 こう語ったとされるアメリカ人発明家ジョン・ウォルター・クリスティがソ連に売り込んだのは、「クリスティ型戦車」とも呼ばれる試作戦車です。これをソ連が発展させて、第2次大戦に登場した傑作戦車T-34につながっていきました。

Large 20240224 01
現在も稼働状態にあるT-34/85。記念行事などに参加している(画像:ロシア国防省)。

 T-34は戦後も長く使われ、生産台数は6万両以上にもなる大ベストセラーです。攻撃力、防御力、機動力のバランスが良く、かつ使い勝手も良かったのが傑作といわれる所以ですが、機動力を支えたのがクリスティの開発したクリスティ型サスペンション。大きな転輪が外見上の特徴で、走破性に優れで高速走行にも適していました。

 クリスティはユニークなアイデアマンであり、1909(明治42)年には斬新な前方エンジン前輪駆動(FF駆動)の自動車を開発していました。ユニーク過ぎたのか一般化はしませんでしたが、消防用蒸気ポンプトラクターとして成功を収めました。

 第1次大戦が始まると、このFF駆動を応用して自走できる砲をアメリカ陸軍に提案しますが、クリスティの発明家らしい頑固さで陸軍の要求仕様と折り合えず、かえって両者の関係は悪化してしまいます。

 第1次大戦後、クリスティは戦車を騎兵のように使うべきと考えます。高速戦車の開発に没頭すると、接地する大型転輪を駆動することで履帯なしでも走行可能なM1928という試作戦車を完成させました。当時の戦車は最高30~40km/hがせいぜいでしたが、M1928は履帯を外した装輪状態で111.4km/h、履帯を巻いた装軌状態で68.5km/hという驚異的な記録を出します。陸上自衛隊10式戦車の最高速度70km/hと同等レベルです。

【これがT-34の元!】クリスティ型戦車と本人(写真)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス