北陸新幹線延伸でもビミョー?「名古屋‐富山」気動車特急とドッチがいいか ゼロ乗り換えの強み

富山までの「ひだ」にグリーン車があれば…

 なお、「ひだ3号」の運行時刻に近い新幹線は接続が悪く時間がかかるため、違う時刻も見てみます。

・富山8:40→【つるぎ13号】→敦賀10:02/10:10→【しらさぎ54号】→米原10:44/10:57→【ひかり646号】→名古屋11:25(2時間45分):普通車指定席1万1190円
・富山7:58→【ひだ6号】→名古屋12:04(4時間6分):普通車自由席7260円、普通車指定席7790円(割引切符の片道6520円)

 このように、新幹線が「ひだ」よりかなり早い事例もありますが、乗り換え2回で料金にかなりの差がある関係は、概ね同じといえます。

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特急「ひだ」の普通車(安藤昌季撮影)。

 以上より、最速ルートが新幹線経由であることは間違いなく、状況によっては「ひだ」もかなり使えるのが分かるでしょう。ちなみに「ひだ」には富山駅までのグリーン車はありませんが、仮に連結されていた場合は1万1450円となり、新幹線の普通車指定席とほぼ同額です。「ひだ」は所要時間が長いので、乗り換えなしルートのメリットを鑑みて、むしろグリーン車を連結し、割引きっぷも設定してよいかもしれません。

 ダイヤ改正に伴い、敦賀駅での乗り換えを強いられる乗り継ぎ例も見られる中、直通する「ひだ」の価値はむしろ高まったように思えます。新型車両HC85系に置き換えられた同列車に注目したいです。

【了】

「ひだ」vs「新幹線&しらさぎ」!どこを通るか【路線図】

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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コメント

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1件のコメント

  1. >ちなみに「ひだ」には富山駅までのグリーン車はありませんが、仮に連結されていた場合は1万1450円となり、新幹線の普通車指定席とほぼ同額です。「ひだ」は所要時間が長いので、乗り換えなしルートのメリットを鑑みて、むしろグリーン車を連結し、割引きっぷも設定してよいかもしれません。

    大賛成です。と言うか、そもそもHC85系置き換え前は全列車グリーン車付きの3両編成で、ゆったりとこの直通列車で移動できました。しかし、HC85系は2両1ユニットの構造が極めて大きく災いしており、現状の形式では基本の4両編成にしないと名古屋~富山の通し運用には非現実的です。現状のこの通し運用が通年付属の普通車2両なのはこれが理由です。(グリーン車は先頭車なので2両ユニットを組めるがそれだと普通車は1両になってしまう)
    本来は基本4両×2で名古屋~高山・基本4両×1で高山~富山を運用すべきですが、東海か西日本のどちらか、もしくは両社とも、高山~富山は2両で十分などと、世間的には非常識としか思えない発想を変えない限り無理でしょう。
    そして、ちょっと外れますが、富山どころか金沢でも乗り換えなしの高速バスへの転移傾向に拍車がかかりつつあるようです。にもかかわらず、今年この露骨な赤字垂れ流し新幹線誘導を強制した結果が来年どう出るか、楽しみで仕方がありません。