「最後の国鉄型特急」なぜここまで長生きした? 引退迫る元祖“振り子式”381系 転機となった2つの要因
あまりにも高価な電車だった
381系は紀勢本線の特急「くろしお」にも投入され、大幅なスピードアップを実現しました。しかし1453両が製造された481・485系電車や、508両が製造された183・189系電車に対して、381系は277両の製造に留まりました。
これはコスト高が原因です。高価なアルミ車体に加え、台車や主電動機、制御装置などは全て新規開発され、新機軸の振り子式に至っては空気バネ台車を収縮させる空気圧縮機の稼働量も多く、保守点検費用がかさみました。
また、地上設備も381系の振り子式に対応させる必要があり、改修費用の点から、新規に電化する中央西線や紀勢本線、伯備線以外では導入が見送られました。実際に投入された伯備線でも、当初は費用対効果に見合わないとして、従来型の183系が投入されそうになったほどでした。
381系は、車内の各座席にエチケット袋が用意され、さらに車掌が酔い止め薬を常備していることでも有名です。揺れ自体は従来車両より軽減したものの、曲線上で一気に車体が傾く振り子の特性もあり、不自然な揺れで酔う乗客が続出したのです。乗り心地については抜本的改善が困難で、JR化後に「制御付き振り子装置」が開発されるきっかけとなりました。
2007(平成19)年、接客設備をリニューアルした「ゆったりやくも」が登場したほか、JR東海と西日本がパノラマグリーン車へ改造するなど、381系は現在に至るまで数次のリニューアルが行われています。
381系が高コスト・高性能とはいえ、全く置き換えられなかったわけではありません。JR東海は1994(平成6)年より、曲線通過速度や乗り心地を改善した383系電車を投入したほか、JR西日本も1996(平成8)年より、283系電車を投入して381系を置き換えています。紀勢本線で「オーシャンアロー」として投入された283系は、伯備線への投入も考慮し耐寒・耐雪構造が採用されており、当初は順次381系を置き換える予定だったのでしょう。
しかし、283系はわずか18両で製造が打ち切られ、投入された紀勢本線ですら381系の完全置き換えには至りませんでした。
紀勢線でも電化時に381系対応の設備になっているはずですが……。
国鉄時代の特急 キハ185がまだ現役
50年前に作られたのは「しなの」の初期編成だけで2008年(経年35)に全廃
「やくも」は一番古いもので1980年製で、最後まで残存したのは1982年製の経年42
つまり185系と大差ない。ちゃんと調べて書いてほしい。