“二刀流”どころか“三刀流”、いやそれ以上か!? 現用戦闘機もはや「なんでも屋」いつからそうなった?
ジェット機時代に本格化した汎用性の追求
この流れは戦後、ジェット機時代が到来すると冷戦時代のいわゆる西側陣営の航空機開発をリードしたアメリカで本格化していきます。プロペラ機だった時代と比べ、ジェットエンジンを搭載するようになったことで、格段に性能向上が図られるようになり、ペイロード(搭載量)が増加しても速度や機動性などに問題を抱えず飛行が可能になったからでした。
とはいえ、1950年代はまだ貴重なジェット戦闘機は制空任務を中心に考え設計されていたため、1960年代に登場した「戦闘爆撃機」と呼ばれるF-105「サンダーチーフ」やF-111「アードヴァーク」のような機体も、どちらかというと爆撃能力に主眼を置きすぎてベトナム戦争では、肝心の空戦がイマイチという評価になっていました。
1960年代では当初、艦上戦闘機として開発されたF-4「ファントムII」のみが結果的にマルチロール機らしい特徴を持つことになりました。同機は艦上戦闘機として開発された関係で、発艦時に機動性が必要だったため、対地攻撃能力を持ちつつも、鈍重な空軍の戦闘機爆撃機とは違い小型で軽快なMiG-21にも空戦で臨機応変に対抗できました。
ただ、これら過去の戦闘爆撃機の戦訓を反映させる形で完成したF-16「ファイティング・ファルコン」やF/A-18「ホーネット」から本格的なマルチロール機となります。
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