新幹線グリーン車“一番快適な車両”はどれ? 同じN700系でも違いアリ グランクラスはどう違う?

東北vs北陸 グリーン車にも違いが

■東北・北海道新幹線 E5系/H5系
 E5系・H5系の9号車に連結されており、座席配置は2+2列、幅は475mm、座席間隔は1160mmです。リクライニング角度は131度とかなり傾きます(JRに確認したところ、「発表されている31度とは90度から何度倒れるかという意味」とのことで、東海道新幹線と表記を合わせた)。また背面テーブル、肘掛け内テーブル、枕、コンセント、レッグレスト、読書灯を備えています。両車はインテリアが異なるものの設備は同等です。

■北陸新幹線 E7/W7系
 E7・W7系の11号車に連結されており、座席配置は2+2列です。肘掛けに木が張られ、触感は良好です。

 総じてE5・H5系グリーン車とほぼ同等の座席なのですが、残念なのは肘掛け内テーブルが廃止され、向かい合わせではテーブルが使えないこと。なお肘掛けにはドリンクホルダーがついています。座席幅は475mm、座席間隔は1160mmです。リクライニングは137度傾き、E5・H5系よりゆったりとしています。

東北vs北陸「グランクラス」はどう違う?

 日本の新幹線における最高グレード「グランクラス」は、東北・北海道新幹線E5・H5系の10号車、北陸新幹線E7/W7系の12号車に備わっています。いずれも座席配置は1+2列。まずはスペックを比較してみましょう。

●東北・北海道新幹線E5・H5系 グランクラス
・座席幅:520mm
・座席間隔:1300mm
・リクライニング角度:145度
・肘掛け幅:中間肘掛けで260mm、それ以外で94mm
・テーブル寸法:500mm×250mm

●北陸新幹線 E7/W7系 グランクラス
・座席幅:525mm
・座席間隔:1300mm
・リクライニング角度:143.6度
・肘掛け幅:中間肘掛けで270mm、それ以外で124mm
・テーブル寸法:484.9mm×253mm

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北陸新幹線E7系・W7系のグランクラス(安藤昌季撮影)。

 スペック上では大差ない両車ですが、筆者のオススメはE7・W7系です。大差を感じるのが肘掛けで、E5・H5系は片側の肘掛けサイズが表記よりかなり狭く、軽く肘を置けるだけで姿勢の自由度がありません。面積が広い側の肘掛けに手を置くと、狭い方と左右の高さが異なります。一方、E7・W7系は左右とも面積が広い肘掛けで高さも同じため、座り心地ではかなり上だと感じました。

 テーブルについても、出し方と安定感でE7・W7系が上回っており、新幹線の頂点に立つ設備だと思います。ただ、どちらもリクライニング時の電動音が大きいのだけは残念です。

 思えば、今なき100系の1人用グリーン個室が、現代のグランクラスに匹敵する快適性でした。なおJR東海は4月17日、東海道新幹線へ「完全個室タイプの座席」を導入すると発表しましたが、これは新幹線の頂点に立つ設備になるのではないかと今から楽しみでなりません(座席鉄としては枕がないことと、座席に回転機構がなさそうであることは、気にかかっていますが)。

【了】

新幹線の頂点か? 完全個室タイプの座席(イメージ図)

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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