「戦闘機パイロット不要論」はあり得ない!? もはや有人機とドッグファイトする無人機どう使う 見えてきた「近未来の戦い方」
近い将来、運用が始まるのは確実な無人戦闘機ですが、だからといって有人戦闘機、すなわち戦闘機パイロットが不要になるというわけでもなさそうです。互いの能力を補完し合う、それが妥当なようです。
無人戦闘機は戦闘機パイロットの仕事を奪うのか?
2024年2月にシンガポールで開催された「シンガポール航空ショー2024」。その会場で韓国の防衛企業であるKAI(韓国航空宇宙産業)が、「次世代航空戦システム」という無人戦闘機に関する展示を行っていました。
そこには「AAP」(adaptable aerial platform:適応性航空プラットフォーム)と呼ばれる無人機の模型が展示され、運用方法に関するコンセプトも解説されていたので具体的なハナシを聞いたところ、同社が目指す今後の無人戦闘機の青写真を見ることができました。
現在、無人戦闘機の開発は、韓国だけでなくアメリカやヨーロッパを含め、世界各国で進められており、それ自体が軍事の世界における世界共通の新たなトレンドになっているといえるでしょう。
ただ、無人戦闘機と無人機は似て非なるものであり、要求される能力や航空機としての特徴は大きく異なっています。機体はそれまでの遠隔操作によるマニュアル(人間)制御ではなく、機内に搭載したコンピューターのAI(人工知能)による自律制御が必須です。
実際、アメリカではF-16戦闘機を改造したX-62 VISTA試験機が、AI制御で飛行するだけでなく、最近では有人のF-16とのドッグファイト(近接航空戦)まで行っているので、かなりのレベルにまで到達しているのは確かなようです。
ただ、そうなると無人戦闘機がこの先、さらに高性能になった場合、有人戦闘機、すなわち戦闘機パイロットは不要なものとなり、その存在も歴史の一片になってしまうのでしょうか。
結論から言えば、今回の「シンガポールエアショー2024」におけるKAIブースの展示を見る限りその可能性は低く、むしろ未来の空中戦では戦闘機パイロットの存在がより重要になっていように思えました。
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