ビッグモーターほんとに変わる? 新会社「ウィカーズ」不正の焼け野原からの出発 国交省幹部「期待している」
不正を重ねたビッグモーターを買収した伊藤忠グループの新会社「ウィカーズ」が発足し、国交省と初めて面談しました。中古車や自動車整備の信頼性を失墜させ、自動車整備工場の指定を取り消されたままの同社は、どう立て直しを図るのでしょうか。
まずは信頼を取り戻し、民間車検場の申請を目指す
あのビッグモーターを買収し、新会社を立ち上げた「ウィカーズ」の田中慎二郎社長が国土交通省物流・自動車局長と面談しました。約20分の意見交換後、囲み取材に応じた田中社長は何度も「企業風土改革」を口にしました。
2024年5月29日午後、「ウィカーズ」の田中慎二郎社長、山内 務副社長、伊藤忠商事の真木正寿執行役員が国土交通省に姿を現しました。自動車整備工場や自動車検査員の監査を行う立場の物流・自動車局の鶴田浩久局長、久保田秀暢次長、多田善隆自動車整備課らと会い、発足約1か月の進捗を伝えました。
約20分の面談後、取材に応じた田中社長は、こう話しました。
「(国交省には)新生ウィカーズとして期待しているとおっしゃっていただいて、我々もその期待に応えるべく一生懸命、組織風土改革、法令順守含めて頑張ってまいりたいということを申し上げる内容になりました」
ウィカーズは旧ビッグモーターとは真逆の「お客様第一」主義を掲げていますが、同社は子会社を含むすべての事業を継承しており、経営トップが新しくなることですべてが変わるのか、という厳しい見方をされています。この約1か月での重点についても、同じワードを繰り返しました。
「組織風土改革と法令遵守。これを会社の末端まで浸透するように、研修ですとか(田中社長からの)メッセージとか、そういう形で図ってまいります。(これを徹底しないと)また起こってしまうというか、せっかく良くなっていても、また崩れてしまう」
囲み取材に同席した合六 渉経営部長が補足します。
「新体制において技術・研修本部を設けて、新しいルールはこの本部が現場に落とし込む。それが守られているかを、言葉はきついですが内部監査、インターナルオーディットを行う体制を敷きました」
今年5月1日に発足したウィカーズですが、旧ビッグモーターの違法行為が問われ、自動車整備工場の指定(民間車検場)を取り消された状態が続いています。ほぼ車両の売買しかできない状態です。取り消された工場が顧客から車検業務を引き受けた場合は、ユーザー車検と同じように全国運輸支局の自動車登録検査事務所に持ち込まなければなりません。同社は将来的に、再び指定を申請する意向です。
「ただそれも一朝一夕ではできない。基本的に悪いところがあって取り消されております。改善報告書も出しております。その改善報告がちゃんと実行されて、我々自身が国交省さんに再度お願いできるという状態になったら適宜取得を目指したいと思っております」(田中社長)
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