「歴代イチ豪華な新快速」とは JR西日本初の自社設計、気合が違う! 今も古びない実力

コンセプトは「パノラマ通勤車」

 221系は「パノラマ通勤車」をコンセプトにして、117系では高さ87cmだった側窓を100cmに拡大し、眺望性に配慮しました。223系電車以降の後継車両では高さ95cm、JR東海311系が87cm、313系電車が95cmですから、221系は歴代の新快速で最大の側窓を備えていることになります。なお、後継車両となる223系2000番台以降では、戸袋窓が廃止されたこともあり、やはり歴代で最も眺望性の高い車両ともいえます。

 この大窓を実現するためと、コスト低減を理由として、当時主流だった軽量ステンレス車体ではなく鋼製車体となりました。それでも電動車を比較すると、117系の最大43.4tに対して、221系は35.1~38.6tですから、相当に軽量化されています。床面高さも117系より75mm低くし、乗降しやすくなっています。

 座席も、117系と同じく側扉横の戸袋窓部分は固定式クロスシートですが、固定式座席のある部分では小テーブルを設置してサービス向上を図りました。なお、221系の座席にあって223・225系電車の座席にないものは、側窓側の肘掛けでした。ただし後年の体質改善工事により、221系も固定式クロスシート部分にしか窓側肘掛けがなくなっています。

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体質改善工事前の221系車内(安藤昌季撮影)。

 以上より、「最大の側窓」「小テーブル」「窓側肘掛け」を備えた221系は、歴代の新快速車両の中で最高のグレードを備えた車両といえます。なお、このような快適性への意気込みを込めて、JR西日本は221系に「アメニティライナー」との愛称を付けています。ちなみにアメニティとは「快適な環境や魅力あるサービス」という意味です。

 221系は最高120km/hの高速性能を持ち、当時最高110km/hだった117系を上回っていました。この高性能さゆえ、新快速は所要時間を落とさずに高槻駅と芦屋駅に停車できるようになったのです。

 前頭部も大型曲面ガラスを採用し、上半分に15度の後退角が付けスピード感を強調。地下区間への乗り入れも考え、非常用貫通扉も設置されています。

【!?】東京の品川駅に現れた新快速117系(写真)

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コメント

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1件のコメント

  1. 1ページ目
    >側扉に近い座席には、ラッシュ時以外で使える補助椅子も設置され

    3ページ目が「体質改善工事で現代的な装いに」のタイトルであることから、この1ページ目は登場時の仕様を語るような言いぶりですが、
    登場時(リニューアル前)は、221系に補助いすは設置されていません。
    登場時から補助いすが設置されたのは223系です。

    2ページ目
    >座席も、117系は側扉横の戸袋窓部分が固定式クロスシートでしたが、221系は扉間に転換式クロスシートを採用し、固定式座席のある部分では小テーブルを設置してサービス向上を図りました

    221系も、117系同様、側扉横の戸袋部分を含めた両端部分は固定式クロスシートです。