「歴代イチ豪華な新快速」とは JR西日本初の自社設計、気合が違う! 今も古びない実力
体質改善工事で現代的な装いに
関西地区の快速・新快速用として投入された221系でしたが、接客設備のグレードが高いことから、1990年代には「マリン白浜221」「マリン城崎221」(夏季)、「きのさき」「味めぐり城崎カニスキ」(冬季)などの有料臨時急行にも投入されました。指定席を設けた行楽臨時列車「ホリデー221」として運行したこともあります。この頃が、221系の全盛期でしょうか。
転機は後継車両となる223系が登場した1994(平成6)年です。223系の数がそろった2000(平成12)年より、新快速の最高速度130km/h化が行われ、221系は新快速運用から追われたのです。
こうしたこともあり、221系は私鉄と競合する大和路線や宝塚線(現在では終了)、阪和線に転用され、その快適性でライバルを脅かしていきます。さらに播但線や和歌山線、草津線、嵯峨野線でも運用されるようになりました。なお2024年3月からは、後継の225系が増備されたことで、長年活躍したJR京都線とJR神戸線での運用を終了しています。
221系では2012(平成24)年から~2019年にかけ、接客設備の改善と安全性向上を目的とした体質改善工事が行われています。運転台前面窓の強化ガラス化やスカートの強化、ATS-P(自動列車停止装置)の更新、先頭車間転落防止幌の設置といった安全性向上に加え、側扉付近の座席一部撤去(補助椅子化)による乗降時間短縮、LED式案内表示器の移設、化粧板・床板・座席モケットの張り替え、車いすスペースの設置、トイレの車いす対応化などです。
こうした改善もあり、登場から35年経った現在でも全く古さを感じない221系。これからも末永く活躍してほしいものです。
【了】
※一部修正しました(6月6日11時15分)。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
1ページ目
>側扉に近い座席には、ラッシュ時以外で使える補助椅子も設置され
3ページ目が「体質改善工事で現代的な装いに」のタイトルであることから、この1ページ目は登場時の仕様を語るような言いぶりですが、
登場時(リニューアル前)は、221系に補助いすは設置されていません。
登場時から補助いすが設置されたのは223系です。
2ページ目
>座席も、117系は側扉横の戸袋窓部分が固定式クロスシートでしたが、221系は扉間に転換式クロスシートを採用し、固定式座席のある部分では小テーブルを設置してサービス向上を図りました
221系も、117系同様、側扉横の戸袋部分を含めた両端部分は固定式クロスシートです。