何でここに駅…? 関西随一の“珍構造”駅に行ってみた 列車びゅんびゅん轟音で通過!

大阪から1時間以内で来られる

 武田尾駅は福知山線で最も利用者が少ない駅ですが、水上 勉の小説『櫻守』や、山崎豊子の小説『晴着』の舞台となった武田尾温泉への玄関口で、徒歩10分ほどの距離。武田尾の地名は、かつて豊臣秀吉に仕え、落ち武者としてこの地に潜伏していた武田尾直蔵にちなみます。

 また、ハイキングコースとなっている福知山線の旧線や、日本固有種のヤマザクラ、エドヒガン、カスミザクラなどが植えられた里山公園「桜の園」も近くにあるため、休日には観光客も利用します。

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橋梁部分は高い位置にあり、下を武庫川が流れる(安藤昌季撮影)。

 駅の橋梁部分の高さは非常に高く、そこからは武庫川を一望できて風光明媚です。トンネル部分は広いホーム上に待合室と、その外にもベンチが配置されています。ベンチは一部向かい合わせですが、なぜか非常に広く座席間隔が取られています。

 トンネル内では特に、通過列車が走る時は轟音が鳴り響きます。なお、武田尾駅に停車するのは普通列車と区間快速だけなので、通過列車はそれなりの頻度でやってきます。

 改札口は1か所で、エレベーターやエスカレーターはありません。無人駅で自動改札機があります。改札外には自動券売機とトイレ、時刻表もあるようです。大阪駅からの所要時間は39~56分ほど。小旅行がてら訪問すると面白い駅だと思います。

【了】

【写真】百聞は… トンネル×橋の武田尾駅を見る

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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