乗り場どこ!? 豪快な「路面から電車に乗り込む」駅なぜ存在 ホームなし 時刻表は意外な場所に

とさでん交通では「道路から直乗降」が連続

 こうした例は、広島電鉄本線の小網町電停や岡山電気軌道東山本線の中納言電停、小橋電停、阪堺電気軌道の塚西停留場(片側はホームがない)などいくつかありますが、その中でも見ごたえがあるのが、高知県を走るとさでん交通伊野線の「道路上の停留所」たちです。鴨部停留所から5つ連続で路面上の停留所が続き、しかも単線です。

 単線の路面電車は、長崎電鉄や富山県の万葉線など例がないわけではありませんが、伊野線の単線区間は7kmもあり、全国一の長さです。そうした区間を見るために、筆者(安藤昌季:乗りものライター)はJR土讃線の朝倉駅(高知市)に降り立ちましたが、駅前にあるはずの伊野線の朝倉駅前停留所が見当たりません。

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とさでん交通のハートラムII(安藤昌季撮影)。

 4~5分探し回り、停留所を見つけました。駅前からやや離れた区画にあり、商店街に線路が走っているかのようです。木々に溶け込むように時刻表の看板がありました。路面に「電停」の表記があり色分けもされていましたが、薄く、周囲が暗ければ停留所と認識できなかったかもしれません。

 単線区間なので、列車は30分に1本ほど。筆者は200m離れた朝倉停留所へ徒歩で向かいました。こちらは列車交換可能な構造で線路が多いですが、やはり停留所らしき部分は、道路に描かれた色違いの箇所のみです。

【写真】冗談抜きで乗り場どこ? 風景に溶け込んだ停留所の数々

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