関東「気動車王国」の離れ小島路線が面白い! 不思議な“右ハンドル”車両 3駅の路線に“スゴイ密度”であるものとは?

運転席が右側に!

 起点となる佐貫駅は、JR常磐線の龍ケ崎市駅に隣接しています。2020年までJRも佐貫を名乗っていましたが、改名して現駅名となりました。ちなみに、JR駅は旧字体の「龍」ですが、関東鉄道は「竜」を使っています。

 開業時は「龍ヶ崎線」で終点も「龍ヶ崎駅」でしたが、1954(昭和29)年に常用漢字が「竜」になることに伴い、「竜ヶ崎」に改めています。ちなみに、市の名前は「龍ケ崎市」。「ケ」の大きさといい、ちょっとややこしいです。

 佐貫駅は建物の上がマンションで、1階に駅を示す表記はありますが、マンションのテナントのような雰囲気。無人駅で、交通系ICカードが使用できます。筆者(安藤昌季:乗りものライター)は2024年5月の土曜日の昼と日曜日の朝に訪れましたが、どちらも20名程度の乗客が下車し、同じくらいの人数が乗車していました。なかなかの盛況です。

 竜ヶ崎線の気動車は1997(平成9)年製造のキハ2000形と、1981(昭和56)年製造のキハ532形で、基本的には1両で運行されます。キハ532形は動態保存車の扱いで、毎週土曜日に終日運行されています。足回りは国鉄キハ20形の流用で、台車は1959(昭和34)年製造と年代物です。

 どちらの車両も、竜ヶ崎寄りの運転席が進行方向右側に設置されている点が特徴です。通常の鉄道車両は進行方向左側に運転席がありますが、竜ヶ崎線は駅のホームが進行方向右側にしかないため、ワンマン運転の都合上、運転席も右側に設置されているわけです。

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踏切が多い(安藤昌季撮影)。

 キハ2000形は、運転席の左側スペースが開放され、列車の先端から前面展望を楽しめます。佐貫駅を出発するとすぐに踏切。加速しつつ、次々に踏切を渡ります。

 発車から1分50秒後。5つ目の踏切付近が、かつて南中島駅があった場所です。当然ながらホームはないので、見た目には分かりません。旧南中島駅周辺には住宅が多く、駅が残っていれば重宝されたと思う立地です。後ほど沿線を歩き、廃駅跡にも行きましたが、駅の後を示した小さな看板がありました。

え、そこ!? 竜ヶ崎線の「廃駅の」今(写真)

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