関東「気動車王国」の離れ小島路線が面白い! 不思議な“右ハンドル”車両 3駅の路線に“スゴイ密度”であるものとは?

もうひとつの廃駅は分かりやすい

 発車2分後、7つ目の踏切を過ぎると、前方に田んぼと森が見えてきます。線路は一直線、50km/h程度でのんびりと走行します。

 発車3分後、11か所目の踏切を渡ったところが、唯一の途中駅である入地駅です。1面1線ですが、かつて交換施設があった駅で、線路の左側にそれらしき空地が。ホームに「受験生に縁起がいい駅」との看板があります。待合室の黒板に、合格の思いを込めて「5」を書くと合格するというおまじないのようです。待合室の駅名は旧字体で少しレトロ。1名が乗車しました。

 発車4分30秒後、13か所目の踏切の前に、橋があります。長さ2mもなく、日本一短いJR水戸線の川木谷鉄橋と大差ない短さです。

 発車5分20秒後、16か所目の踏切が、かつての門倉駅のあった場所です。こちらは進行方向左側が空地で、ホームがあったことを想起させます。発車から6分20秒後ごろ、初めてポイントがあり、竜ヶ崎駅の構内で休む気動車の姿も見えました。

 ほどなく最後の踏切(起点から19か所目)を渡ると終点の竜ヶ崎駅。発車から7分で終点でした。4.5kmに踏切が19か所ですから、平均236mに1か所踏切がある計算に。「開かずの踏切」で知られる京王井の頭線でも平均385mですから、すごい密度です。

 バスターミナルも併設された竜ヶ崎駅は広めの構内で、プラレールの置かれた待合室と、明るい照明と立派な座席のある待合室がありました。唯一の有人駅であり、筆者は窓口で「竜鉄コロッケ☆フリーきっぷ」を購入。値段は600円ですが、龍ヶ崎コロッケ割引券200円(きっぷ式で1回使える)と販売店の地図が描かれた冊子、乗車証明書が付いてきます。

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「竜鉄コロッケ☆フリーきっぷ」(安藤昌季撮影)。

 龍ヶ崎コロッケは、「第2回ご当地メシ決定戦!2014」(Yahoo! Japan主催)で日本一となったB級グルメで、小粒で分厚く、店ごとにレシピが異なるのも楽しいです。

 龍ケ崎市の市民遺産にも認定されている竜ヶ崎線。短いながら、地域に密着した見どころの多い鉄道でした。

【了】

※一部修正しました(7月3日15時20分)。

え、そこ!? 竜ヶ崎線の「廃駅の」今(写真)

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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