「なんだコンテナか」実はミサイル発射機だった!? 現代戦における擬態 バレない以外のメリットは

ウクライナ戦争の教訓もバックグラウンドに

 なお、このような新しいカモフラージュを採用した理由については、現代の戦場において遠方から射撃を行う自走砲やランチャーシステムであっても、その生存性が低下していることを挙げていました。

「多くのアナリストたちが指摘していますが、戦場においてミサイルや火砲が射撃を行うと、相手は対砲レーダー(発射された物体の弾道を計測し、そこから逆算して発射地点を割り出す)などのセンサーを使って瞬時にこちらの発射位置を特定し、数分後にはその上空にドローンを飛来させることができます。ただ、このシステムであれば天井のハッチと後方のドアを閉めてしまえば、それが発射機であるかは誰も判別できなくなるため、相手から攻撃を受ける可能性を減らすことができます」

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「ユーロサトリ2024」に展示されたサーブ社のコンテナ型ミサイルランチャー(布留川 司撮影)。

 メーカー担当者は具体的な事例までは説明してくれませんでしたが、これは恐らく現在も続くウクライナ戦争での実例に基づくものだと推察されます。この戦争では、ドローンが大規模に投入されており、ロシアとウクライナの双方とも効果的に活用しています。

 戦場では新たな戦訓やノウハウが常に生み出されており、各国の軍隊や防衛産業はそれらに対応しようと新しい運用法の確立や新装備の開発を進めています。前出の新型ランチャーが民間コンテナによく似たデザインとなったのも、ウクライナ戦争での最新事情が元になっているのでしょう。

【コレで動きます】ミサイル発射コンテナの内部にある各種システムをイッキ見(画像)

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