宇都宮LRT「快速」乗って分かった“鈍足”のワケ…時短の余地、大いにあり!? 今は2本だけ

上り宇都宮駅東口行きの様子は

 さて、7時55分着の宇都宮大学陽東キャンパス駅は、大規模商用施設「ベルモール」に隣接していますが、朝早いためか乗降はわずか。次の平石駅には7時57分に到着します。

 平石駅は2面4線で追い抜き可能駅ですが、現時点の快速は追い抜きをしません。隣接地には平石トランジットセンターが設けられており、LRT利用客の駐車場、駐輪場もあるものの、こちらも乗降はわずかでした。

 平石駅を発車すると、平石中央小学校前駅を通過し、鬼怒川を一気に越えます。

 2駅通過の後、8時5分に清陵高校前駅に停車すると、学生たちが大量下車しました。この辺りは急勾配の60パーミル区間でもあります。

 清陵高校前駅からは各駅に停車しますが、車内表記は「快速」のままです。この先は、キヤノンの工場があり、追い抜き可能なグリーンスタジアム前駅や、ホンダの関連施設があるかしの森公園前駅で若干の下車がありましたが、それでも立客が残るほど。かしの森公園前駅付近も60パーミルの急勾配で迫力がありました。

 結局、終点の芳賀・高根沢工業団地駅まで、座席がほぼ埋まる乗車率でした。

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HU300形の座席(2024年6月、安藤昌季撮影)。

 筆者は折り返しで初めてHU300形に着席しました。クロスシート部分はクッション性がよく、座り心地良好です。側窓も非常に大きく、解放感がありました。帰路は最初こそガラガラだったものの、清陵高校前駅辺りでは席の大半が埋まり、終点に近づくと立客が出るほどであり、需要の高さを実感しました。

 ただ、快速列車としては所要時間の短縮が物足りないですし、日中や休日、上り方面の運行も必要に思えました。まだ「慣らし運転」感のある宇都宮ライトレール。今後の飛躍が期待されます。

【了】

これ上んの!? LRT最大級の急勾配(前面展望)

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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