ここで「カンパ~イ」できるなんて! 鉄道ファン至高の瞬間、大井川鐵道の「珍ビール列車」

当日中に東京・名古屋へ帰宅可能

 大井川鐵道本線は災害により、起点の金谷駅(静岡県島田市)から川根温泉笹間渡駅(同)までの運行となっています。ビール列車はさらに短く、新金谷~家山間を往復します。乗車は約30分と短めなので、ロング缶で十分です。

 その代わり、木造駅舎の家山駅がビアステーションとなり、駅舎内に設置された2か所のビールサーバから生ビールが飲み放題。郷愁感溢れる駅舎にはビアガーデン風の提灯がぶら下がり、静岡おでんなどおつまみも食べることができます。

 約1時間、堂々と駅飲みを堪能したあとは、19時55分に家山駅を発車し、新金谷駅着は20時25分。その後21時03分発の金谷行き連絡電車へ乗り継いで、そこでJR東海道本線へ乗り換えれば、静岡駅から新幹線を使ってその日のうちに東京と名古屋方面へ帰宅できます。

 ビール列車は大井川鐵道のほか、JRや私鉄、路面電車と、全国の鉄道会社が様々な工夫をしながら走らせており、今や日本の鉄道の夏の風物詩となっています。それぞれの鉄道では自社の電車や気動車を使用しますが、大井川鐵道では唯一、電気機関車牽引の旧型客車列車で実施しています。

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「トーマス号」カラーを纏うオハ35 149。側窓上部の補強板ウィンドウヘッダーを省略し、張り上げ屋根となった試作車。1940年小倉工場製造(2024年8月16日、吉永陽一撮影)。

 大井川鐵道といえば、1976(昭和51)年から蒸気機関車を動態保存しており、年間を通じてSL列車が走り、客車も国鉄から譲渡された何種類もの旧型客車が集う、いわば“動く鉄道博物館”です。近年ではC11形をトーマスに変身させた「トーマス号」が人気を博し、子どもたちの歓声が響き渡ります。

 動ける旧型客車の宝庫だからこそ、「レトロ列車でカンパイ!」が毎年実施できるのかと思いきや、実は旧型客車のみのビール列車は今回が初めてとなります。2023年の実施ではロングシートの7200系電車を使用し、家山駅往復と木造駅舎のビアステーションプランでした。

【写真】これが旧客で呑む「ビール列車」車内です

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