「電気軌道」として開業したのに108年間“電車ナシ” 異色づくめのローカル線に乗る もしかしたら“海を渡っていた!?”
大半が乗り通し利用
池谷駅から鳴門線へ。高徳線のホームは別の位置にあり、あいだに駅舎があります。3番線に到着し、上り列車と交換しました。鳴門線では列車速度が落ち、また鳴門駅以外は無人駅のため、車掌がこまめに車内巡回を行っていました。
途中駅での乗客の入れ替わりはあまりありませんでした。教会前駅では3名が下車。ぱっと見て教会らしき建物はないのですが、奥に見える寺のような建物が「天理教撫養大教会」です。
金比羅前駅を出ると、車窓右側に新池川が並走し、川が離れると撫養駅です。かつての終着駅では4名が下車しましたが、大半の乗客は動きがなく、そのまま終点の鳴門駅へ。急にビルが目立つようになり、都市近郊路線のような風景になりました。
1面2線の鳴門駅では50人以上が下車。有人駅なので駅員がおり、みどりの窓口もあります。駅前には高速バスの停留所や、近くにサッカーJ2「徳島ヴォルティス」のスタジアムもあり、にぎわっていました。
乗車した実感としては、潜在需要はありそうでしたが、単線で交換駅もないので、1時間に1本なのが惜しまれます。大半が徳島駅から鳴門駅への需要なので、朝の上り1本だけある「途中全駅通過の鳴門発池谷行き」のように、停車駅を絞った快速をあいだに挟むなどして、本数を増やせないものかと感じました。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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