世界的には当たり前!?「戦闘機とウチの特産品、交換しない?」 まるで“わらしべ長者”なやり方の真意とは

実はウクライナ侵攻中のロシアでも

 最近でもロシアが物々交換を提案した事例があります。同国は2023年11月、パキスタン、エジプト、ベラルーシ、ブラジルなど、自国製兵器の購入国に対してヘリコプターや兵器の予備部品の返還を要請しました。理由は、2022年2月に開始したウクライナ侵攻で不足した装備品を補充するためです。

 このときは、エジプトがMi-8およびMi-17ヘリコプター用のエンジン約150基を返還するという取引に応じましたが、この見返りとしてロシアは払い戻し金ではなく「小麦輸出の継続を確約する」と、小麦を資金の代わりとしました。エジプトは小麦の全輸入量の60%以上をロシアに依存しており、この確約はある意味お金よりも重要でした。

 さらにロシアは北朝鮮に食糧と引き換えに兵器を購入した可能性も報じられており、この行動をアメリカ政府が「ロシアは物乞いをしている」と揶揄したこともあります。

 また、実現はしませんでしたが、2017年にインドネシアがロシア製のジェット戦闘機Su-35Sを11機購入するため、特産のコーヒー豆や茶、パーム油といった農産物との物々交換で対応しようとしています。当時、ロシアはクリミア半島併合などの問題で西側諸国から農水産物の輸入を禁止していたことにより考え出されたプランでした。結局この計画は、インドネシア軍の兵器システムにロシア機が合わなかったため、実現しませんでした。

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ロシアがベラルーシからエンジンの提供を求めたMi-26大型輸送ヘリコプター(画像:ロシア国防省)。

 このように、物々交換で兵器をやり取りする事案は、世界的には結構発生しています。技術が進歩し、世界中が貨幣経済で動く現在においても、地元の特産品での物々交換は、お金では買えない魅力を持っていることがわかるでしょう。

【了】

【かなり進化?】これが、次世代型の「ラファール」です(写真)

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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