発着甲板が多いほど便利じゃん!「階段みたいな空母」日本海軍の試行錯誤 その結末は?

「発艦と着艦を同時に」2024年現在の空母運用としては当たり前のことですが、実はこれ、戦後にできたシステムです。それまではかなりの試行錯誤があり、旧日本海軍では過渡期ゆえの珍妙な「三段空母」を造ったこともありました。

解決策は意外と単純なだった?

 この問題に最終的な解決策が出されたのは戦後のイギリスです。斜め飛行甲板、いわゆる「アングルド・デッキ」が発明されたことで、発着艦が同時に行えるようになりました。

 これは、1950年にイギリス海軍のデニス・キャンベル大佐が、後部に角度を変えた甲板を取り付け、「発着艦を別にできないか」と考えついたことが端緒です。

 まず1952年2月、イギリス海軍のコロッサス級空母「トライアンフ」で先行試験が行われ、その後アメリカ海軍のエセックス級空母「アンティータム」を改装し、実用試験が始まりました。

 実際に使ってみると、着艦機は斜めの飛行甲板を、発艦機は前方の直線の飛行甲板を用いるため、衝突事故は回避できます。また万一、着艦失敗となっても失敗した機体が斜め甲板に留まる、もしくは船体側面から海没するだけで、最小限の損失で済むようになりました。

 さらに、エレベーターや駐機スペースは着艦動線から外れた部分に設置されるため、甲板上での作業もやりやすくなり、カタパルトを増備すれば同時発艦を増やすこともできました。こうしたメリットが発見されたことで、以降この形が2024年の現在に至るまで、定番の形となったのです。

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ニミッツ級原子力空母の甲板。他の空母も大小の差こそあれ大体このように斜めと直線の2種の飛行甲板がある(画像:アメリカ海軍)。

 なお、海上自衛隊の「かが」の場合、詳細は分かりませんが、発艦は前方甲板で行い、着艦は後方甲板に垂直着艦するというF-35Bの垂直/短距離離着艦(STOVL)能力を活かした運用方法が取られるようです。

 ちなみに、多段式空母はその奇抜なデザインが目を引くからか、漫画やアニメをはじめとした創作物の世界では、引っ張りだこのようです。実際、某宇宙戦艦の作品などでは宇宙空母として登場し、模型にまでなっています。

【了】

【だ、誰ですか!?】見た目が全然違う多段空母時代の「加賀」と「赤城」(写真)

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