戦車の威厳を損ねる? ドローン対策の“ゴテゴテ化” アメリカ軍は最新戦車に採用するのか ハイテクで何とかなる?
後継M1E3戦車 ドローン対策は考慮されていなかった!?
アメリカは2023年9月6日、「より積極的なアップグレード」が必要だとしてSEPv4を中止し、M1E3を開発することを発表します。モジュラー式のオープンアーキテクチャで将来技術を取り入れやすくし、低コストでアップグレードでき、最低でも15年以上使えることを目指します。
しかし、M1E3の開発はさっそく遅延しています。2024年9月11日の国防総省の文書には、「統合主力戦車システム(Integrated Main Battle Tank System)の取り組み開始を2025年度まで遅らせる」と記載されました。2025年会計年度は10月1日から始まっています。
統合されたアクティブ防御システム(APS)と、自動装填装置の開発開始が遅れているようですが、その要因のひとつがロシア・ウクライナ戦争であることに間違いありません。戦況の変化が早すぎるのです。
M1E3のコンセプトが発表されたのは前述のとおり2023年9月ですが、この頃からFPVドローンが猛威を振るい始めます。つまりM1E3のコンセプト検討段階では、FPVドローン対策はあまり考慮されていなかったと考えられるのです。
M1E3には専用のAPSが採用される予定ですが、これまでのM1にはイスラエルのラファエル社製「トロフィー」が装備されています。トロフィーは対戦車ロケットやミサイルを迎撃する物ですが、ドローンを含むトップアタックも迎撃できるバージョンが発表されており、E3にも同様の仕様が見込まれています。また、ユーロサトリ2024兵器展示会に出展された次世代戦車コンセプトモデルには、もれなくドローン迎撃用のリモートウエポンシステム(RWS)が搭載されていました。
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