超巨大輸送機で「かくれんぼしよ♪」ほのぼの風景に軍用機ズラリの異様「軍用機公園」ができたワケ
“軍用機がズラリと並んだ公園”が台湾に存在します。迫力の実機を前に、地元の人々が普通に思い思いの時を過ごすという、ちょっとシュールな光景。なぜこの地に軍用機が集められたのでしょうか。
C-119輸送機の内部に入ってみた
「渓湖軍機公園」の正面入り口にデーンと設置され、最も強いインパクトを持つC-119輸送機は、来訪時にたまたまドアが開いており、中に入ってみました。
輸送機内部の左右の壁には、一列の簡素なベンチが並べられています。これに座って戦地へと向かう軍人たちの過酷ぶりを想像して言葉を失いますが、四方ガラス張りのコックピットもまた緊張感があります。
コックピットのガラスから見る空の向こうに、いつ何時敵の軍機がやってくるかもしれない恐怖の中で飛行する状況を想像すると、これもまたゾッとする思いを抱きました。
しかし、台湾は依然として中国大陸と緊張状態にあります。台湾人の多くの頭の片隅には「万一の有事」があることでしょう。そういったなか政府・中華民国軍の立場で考えれば、軍用機を自国民に触れさせることは広報的に良いようにも映ります。
彰化県の中心部には、また別の「C-119軍機公園」という場所が存在し、こちらにもC-119輸送機が設置されています。「渓湖軍機公園」「C-119軍機公園」という2つの軍用機公園があるのは台湾の中でも彰化県のみ。軍用機ファンの方はぜひ見学に行ってみてください。
「渓湖軍機公園」へのアクセスは彰化中心部から「6714」バスに乗り約35分。「金豊」バス停を降り、徒歩約10分ほどです。
【了】
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。
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