消滅寸前! 40年以上新造なしの車両とは? 東海・四国はすでに決別「JRよ、なぜ使わない」

路線保守用の事業用車両ですら機関車牽引は消滅へ

 かつては機関車の老朽化に伴い、JR東日本では主に寝台特急「北斗星」と「カシオペア」用として、2009年からEF510形500番台を15両製造しましたが、運転終了によって2016年までにすべてがJR貨物に売却されています。このことからも、今後新しい機関車を導入するというのは望み薄といえるでしょう。

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客車を回送するディーゼル機関車(咲村珠樹撮影)。

 機関車は、運転上の取り扱いに配慮が必要です。電車や気動車は折り返しの際、運転士と車掌が交代するだけで済みますが、機関車による列車の場合、機関車を先頭に連結し直す「機回し」という作業が必要になります。これだと、列車が停車している線路だけでなく、機関車を回送させる別の線路も必要で、折り返しにかかる時間や連結作業を行う人員などが電車や気動車よりもかかり、今でいうタイパ(タイムパフォーマンス)、コスパ(コストパフォーマンス)が悪いのは明らかです。

 他にも、運転士に関して、電車や気動車と機関車で運転感覚が異なるのもネックでしょう。電車や気動車なら、編成の中に動力車が複数あり運転台で一括制御できるのに対し、機関車が牽引する列車の場合、動力車は機関車しかありません。このため、加速やブレーキなど、逐一きめ細やかな操作が必要となります。

 一方で、機関車が列車を牽引する機会が激減している昨今、その運転感覚を維持し続けることは難しくなっています。機関車の出番は主に、レールや線路の砂利(バラスト)などを運ぶ事業用車両の牽引となっていますが、これまた日ごろ電車や気動車を運転している運転士でも違和感なく操作できるよう、電車・気動車型の事業用車両の導入が進んでいます。

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