消滅寸前! 40年以上新造なしの車両とは? 東海・四国はすでに決別「JRよ、なぜ使わない」
客車列車は消えるのに貨物列車が残るのはなぜ?
すでにJR東海とJR四国では、本線上を走行できる機関車が全廃されています。機関車の老朽化、そして事業用車両の電車・気動車化が進む流れを考えると、近い将来JR旅客会社に残るのは動態保存されている蒸気機関車だけになってしまうかもしれません。
とはいえ、蒸気機関車も老朽化には抗えません。大正時代に製造され、動態保存される過程で大部分が新造部品に置き換えられたJR九州の8620形蒸気機関車が老朽化で運転を終了したように、蒸気機関車もずっと動態保存し続けられるとは限らないのです。
このまま機関車は役割を終えてしまうのでしょうか。ところが、貨物列車の分野では、むしろ機関車が牽引した方が、効率が良いといえます。
電車はある程度固定された編成を維持しなくてはなりませんが、貨物列車においては需要に応じて輸送量が変化し、必要な貨車の両数も増減します。こうした変化に柔軟に対応できるのが、機関車が牽引する列車の特徴です。
旅客会社からは姿を消しつつある機関車ですが、JR貨物では主力として活躍が続きます。
【了】
Writer: 咲村珠樹(ライター・カメラマン)
ゲーム誌の編集を経て独立。航空宇宙、鉄道、ミリタリーを中心としつつ、近代建築、民俗学(宮崎民俗学会員)、アニメの分野でも活動する。2019年にシリーズが終了したレッドブル・エアレースでは公式ガイドブックを担当し、競技面をはじめ機体構造の考察など、造詣の深さにおいては日本屈指。
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