「林の中で下ろされそう」 寝過ごすとガチでヤバそうな行先Sランク!? 「中央林間」は酔っ払いの“流刑地”なのか

終電で寝過ごし“流れ着いて”しまった駅のうち、宿泊施設やタクシーもなく絶望する駅はどこか――忘年会シーズンの12月、SNSで話題となっています。そのうちのひとつに挙げられたのが東急田園都市線の中央林間駅。どのような駅でしょうか。

「林間」って何よ? 開業時は駅名もちょっと違った

 中央林間は決して林の中に駅があるわけでなく、むしろ市街地にある中心駅です。寝過ごしてたどり着いた場合、宿泊施設こそありませんが、カラオケ店のほか居酒屋やバーもあり、始発まで過ごす場所はいくつかあります。なお中央口(東急)を出ると、目の前にはタクシー乗り場があります。

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商業施設「エトモ中央林間」(手前)と「中央林間東急スクエア」とをつなぐ連絡通路(乗りものニュース編集部撮影)。

 田園都市線の終電は、中央林間0時50分着です。すると、0時55分発の江ノ島線の上り終電に乗り継ぐことができ、相模大野駅(神奈川県相模原市)までは行くことが可能です。中央林間駅周辺よりも街の規模が大きく、滞在の選択肢は広がります。

 また、下り電車はすでに終了しているものの、ひと駅1.3km歩けば隣は南林間駅です。こちらは駅前にホテルが2軒あります。

 イメージが先行しそうな中央林間駅ですが、この「林間」とは、小田急の初代社長が打ち出した林間都市構想に基づくものです。260万平方メートルに及ぶ広大な土地に、住宅やスポーツ施設、学校などを設けるというものでした。渋沢栄一の田園都市構想に触発されたようです。それは開業時の駅名「中央林間都市」にも見て取れます。

 しかし新宿まで遠すぎたことや、世界恐慌による不景気のあおりも受け、分譲した住宅が思うように売れず計画は頓挫。1941(昭和16)年、駅名も現行の「中央林間」へ改められました。

 以降は江ノ島線の途中駅として歩んでいきますが、構想から約60年後に田園都市線が延伸してくると、いよいよ始発駅のベッドタウンとして発展し現在に至ります。

【まるで特急!!】短期間だけ走った中央林間発の速達列車(写真)

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