急行電車も「ボタン押すだけ」 いきなり主要路線から「自動運転化」踏切たくさんでも大丈夫? 京王に聞く狙い

京王電鉄は電車のワンマン運転を見据え、井の頭線で2025年春に自動運転の実証試験を始めます。距離が短い支線からの導入ではなく、いきなり主要路線で始める理由や舞台裏を京王の担当者が明かしました。

ボタン2つを押して自動運転 京王井の頭線で

 京王電鉄が渋谷駅と吉祥寺駅を結ぶ井の頭線(12.7km)で、自動列車運転装置(ATO)を搭載した1000系の一部編成を使って、2025年春に実証試験を始めます。2020年代中ごろには井の頭線でホームドアの整備を、20年代後半に自動運転システムの導入を完了して実用化。運転士だけが乗務する「ワンマン運転」に切り替えます。

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京王井の頭線を走る1000系。一部編成で自動運転の実証が行われる(大塚圭一郎撮影)。

 導入するのは「半自動運転」とも呼ばれる「GoA(Grades of Automation)2」です。運転士が発進する際にボタンを押せば、速度調整と次の停車駅での停止は自動運転システムが担います。

 ATOを導入する狙いについて、担当している京王電鉄車両電気部スマートモビリティ担当課長の花井 計さんは「乗務員の人員確保が本当に大変なのに対応するのはもちろん、既に整備している自動列車制御装置(ATC)を活用し、最新技術の自動運転に積極的に取り組んでいる姿勢を示したい」と説明しました。

 また、自動運転に切り替えれば「人間の運転より均質な運転が可能になって定時性が改善し、省エネルギー化にも寄与するとみている」とも。試験では、人が運転した場合と比べて定時性が向上するか、消費電力量が低減するかといったことについてデータを計測して確かめます。

 運転台のユニットは改造時に取り換え、自動運転用の2つのボタンと手動運転時のために加減速するワンハンドルマスコンを設けます。

 始動には運転士が2つのボタンを同時に押すことが必要で、ボタンが1つだけではないのは「例えば運転士がくしゃみをするなどして誤って押してしまうのを防ぐため」だそうです。

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コメント

1件のコメント

  1. 車掌削減はバブル期からやってたのだから

    電車の自動運転くらい、前世紀windows95の頃にさっさとやっておけよ