伝説の「世界唯一の公共交通」廃止後どうなった? ”驚嘆”の現地の様子とは 元「車両」はまさかの場所に
2024年4月末、世界で唯一、広島市にしかなかった乗りもの「スカイレール」が運行を終了しました。「スカイレール」廃止後、沿線の様子や交通アクセスはどのようになっているのでしょうか。現地を訪れてみました。
2024年4月末に運行終了
世界で唯一、広島市にしかなかった乗りもの「スカイレール」が2024年4月に運行を終了しました。「スカイレール」廃止後、沿線の様子や交通アクセスはどのようになっているのでしょうか。実際に現地へ行ってみました。
「スカイレール」は、株式会社スカイレールサービスが運営する「広島短距離交通瀬野線」という軌道線で、広島市安芸区のJR山陽本線瀬野駅に隣接する「みどり口」駅と、住宅団地「スカイレールタウンみどり坂」の中心部にある「みどり中央駅」を結ぶ路線として1998年に開業しています。
みどり口~みどり中央駅の距離は約1.3km。しかし、周辺の住宅地は山腹を切り崩して作られているため、2区間は180mもの高低差があり、徒歩での往来が難しいほどの急勾配となっています。そうしたことから住宅地への新たな交通システムとして、ロープウェイ風の車両の外観ながら、懸垂型モノレールの桁とリニアモーター技術を用いて開発されたのが「スカイレール」でした。
開業後、「スカイレール」はほかの自治体への採用も検討されたものの、導入には至らず。ここでしか運用されていないことからメンテナンスコストもかさみ収支が悪化するなか、車両や軌道、橋脚などの部品を製造する会社の廃業が決定打となり、運行終了に至っています。
2025年1月現在、「スカイレール」の代わりとして新たに電気バスが2区間を結ぶ公共交通手段として運行されています。通学ラッシュとなる午前8時台、16時台は4本、その他の時間帯は毎時3本が標準的なダイヤで、一度に50人程度を乗せることができます。なお「スカイレール」は25人乗りで、15分から20分間隔で運行されていました。
実際に現地に降り立ったのは15時30分ごろ、バスの利用者はほとんどが生徒で、帰宅ラッシュで満員の状態でした。また、バスの案内サイトによると、満員のため、臨時便も運行されていたとのことです。
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