大型バスで手放し運転!?「違反じゃないの」「いえ、安全なんです」唯一無二“驚愕な乗りもの” 間もなく終了か

名古屋市と春日井市を結ぶ「名古屋ガイドウェイバス」では、唯一無二の走行システムが採用されています。それは一部区間で「手放し運転」が行われるというもの。なぜ可能なのでしょうか。

手放し運転、法律的にOKなの?

 しかし、高架区間はいくら専用道とはいえ、バスで手放し運転を行うのは法律的に許されるのでしょうか。それには、この区間が「道路」ではないことが関係しています。

Large 20250209 01

拡大画像

専用の高架区間を走る名古屋ガイドウェイバス(柘植優介撮影)。

 高架区間は、案内軌条にそって案内輪で誘導されるという特性から、路面電車などと同じ「軌道法」が適用されています。国には「案内軌条式鉄道」として登録されており、「ガイドウェイバス志段味(しだみ)線」という路線名も存在。このため、運転手は軌道法の適用区間でハンドルを操作してはいけないことになっていて、アクセルとブレーキ操作しか行いません。方向転換も案内輪によって行われるので、ハンドルは勝手に動きます。

 ガイドウェイバスの車両を保有し、志段味線を管理する名古屋ガイドウェイバス株式会社によると、小幡緑地駅から高蔵寺駅にかけては地上の一般道を走るため、運転手はバスと鉄道両方の運転免許を取得しているとのこと。実際に乗ってみると、当該高架区間で運転手はハンドルから手を離しているのが確認できました。

 高架区間は眺めもよく、車窓も見どころ。以前、名古屋ガイドウェイバスに聞いた際には「矢田川や名鉄瀬戸線、名二環(名古屋第二環状道)をまたぐ地点は、高架がさらに高くなるので見晴らしが良いですね。名古屋駅周辺の高層ビル群のほか、遠くに岐阜・長野方面や滋賀方面の山々を望めるところもあります。大曽根行きだと、白沢渓谷駅から川村駅のあいだにある60パーミルの下り坂(1000m進むと60m下がる)を走るのを、ジェットコースターのような感覚で楽しむ方もいらっしゃるようです」と述べていました。

 このように眺望がよい反面、高架区間は風や雪に弱いというデメリットも。除雪が難しいため、高架に上がる前の「モードインターチェンジ」(案内輪での走行に切り替わる地点)において、車両についた雪を社員総出で高圧洗浄機を使って落とすなどしています。

【ホントだ!】走行中、ハンドルから手離したままのバス運転手(写真)

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. ガイドウェイバスは本来は既存のバスにパーツ付けるだけ、よくあるアスファルトやコンクリートの路面にガイド付けるだけで鉄道に近い輸送ができる低コストの乗り物のはずなんだけど、名古屋の都市部に無理やり通すために高架で作っちゃったのと「日本でここだけ」なせいで日本ではコストのかかる乗り物になってしまってるよね。

    311後の気仙沼線などは鉄道復活をもう諦めたみたいだけど、同じバスでも専用道路のバスではなくガイドウェイバスを活用できたらいいと思うんだけどなあ。