間もなく見納め…いやいや、まだ走ります! この春が「完全引退じゃないよ」鉄道車両3選

2025年春に引退を予定している鉄道各社の車両。しかし、それは「完全引退」ではないかもしれません。引退する車両を他社が保有しているケースがあるからです。「ドクターイエロー」も、引退するのはJR東海所属の編成だけです。

JR東海211系 私鉄への譲渡が決まっている

 JR東海の静岡地区では、211系が間もなく引退する予定です。211系は通勤・通学輸送用の近郊形電車で、JR東海では名古屋・静岡地区に導入され、東海道線や中央線、関西線などで使用された実績があります。

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2025年に引退するJR東海の211系。この車両(SS11編成)は三岐鉄道に譲渡された(2023年12月、柴田東吾撮影)

 名古屋地区ではJR東海発足直前の1986(昭和61)年から2023年まで使用されたほか、静岡地区では1989(平成元)年から使用されていました。新型車両の315系が導入されたことで、211系の置き換えが進められているのです。

 JR東海からは211系が引退しますが、同社から三重県の三岐鉄道三岐線へ211系が譲渡されています。2025年から営業運転を行う見込みで、三岐鉄道で“第二の人生”を送ることになります。

 このほか、JR東日本も211系を保有しています。こちらは首都圏で使用され、東海道線や東北・高崎線などでグリーン車を組み込んで使用されたほか、2025年現在では中央線の立川以西や長野地区、高崎地区の各路線で使用されています。

 長野地区では篠ノ井線や信越本線、大糸線などで、高崎地区では上越線や信越本線、吾妻線や両毛線で運行されています。JR東日本の211系も数を減らしていますが、完全な引退はまだ先となりそうです。

 なお、JR東日本とJR東海の211系では細かな違いがあります。特にJR東海では、1988(昭和63)年から大量に導入した211系5000番代で仕様が大きく変わり、屋根に付いた冷房装置や車内の客室のデザインなどが異なっています。

関東に来た関西の車両 まだまだ走ります!(写真)

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