空自「最新鋭戦闘機」がまさかの納入遅延 実は世界中で!? 背景にある“根深い問題”とは

2025年1月10日、防衛省は航空自衛隊に配備予定のF-35A/B戦闘機について、いずれも納入が遅れる見込みであると発表しました。背景には同機のソフトウェア開発の遅延があるといいますが、じつはそれ以外にも防衛産業を巡る大きな問題が見えてきました。

日本で生産するミサイルも「部品が来ない」

 F-35の納入遅延は技術的な部分によるところも大きいのでしょうが、技術的な問題によるものではない遅延の一例として2025 年1月9日付のブルームバーグが報じているのが「PAC-3」地対空ミサイルについてです。

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2024年12月、大阪に行くため東海道新幹線に乗り込むエマニュエル駐日大使(当時)。このときは59回目の乗車(画像:ラーム・エマニュエル駐日米国大使の公式Twitter〈@USAmbJapan〉より引用)。

 このミサイルはアメリカ側からの要望で三菱重工業がライセンス生産を行う予定ですが、アメリカ企業からの部品供給の遅れにより、生産計画が未達成になっているといいます。

 同日付のブルームバーグは、アメリカの大手防衛企業が生産設備の拡充よりも株価の上昇を目的とする自社株式の購入に資金を投入していることが、アメリカ製防衛装備品の納入遅延につながっており、アメリカ政府の高官から批判の声が相次いでいる――とも報じています。

 さらに、アメリカ製防衛装備品の納入遅延は、アメリカと同盟国・友好国との関係にも影を落としているようです。

 ブルームバーグは約3年に渡る任期を終えて、離任したラーム・エマニュエル前駐日大使へのインタビューを行っています。ここでエマニュエル氏は、アメリカ製防衛装備品の納入遅延について、アメリカの安全保障と抑止の信頼性にとって「中国より大きなリスクだ」と述べ、アメリカ大手防衛企業の経営姿勢を批判しています。

【納入遅延…でもやっぱりカッコイイ!】海自の護衛艦「かが」に降り立ったF-35Bを写真で(画像)

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