新幹線あれば在来線特急は不要ですよね? 思いっきり“競合する列車” 優位性は…ある!
新幹線が開業すると、並行在来線の特急列車は廃止される傾向にありますが、都市部では存続し新幹線と競合する区間が多く見られます。なぜどちらも運行されるのか、3例を挙げ利用実態を見てみます。
東海道・山陽新幹線vs特急「スーパーはくと」「らくラクはりま」
京都~姫路間では、JR東海の東海道新幹線およびJR西日本の山陽新幹線と、JR西日本の東海道本線および山陽本線が並行しています。主に同区間で新幹線と並行してJR西日本が運転する在来線特急が、「スーパーはくと」と「らくラクはりま」です。
こちらも運賃・料金や所要時間を比べると、新幹線の運賃・料金の合計が自由席利用で4840円、所要時間は約43分である一方、在来線の特急「スーパーはくと」の運賃・料金の合計は4700円(通常期)と新幹線より少し安い程度で、所要時間は約1時間30分と新幹線の倍以上もかかっています。
京都~姫路間も新幹線が有利に見えますが、「スーパーはくと」は京都・大阪と鳥取などを結ぶ列車として運転されているので、新幹線とは役割が異なります。ちなみに、1994(平成6)年に「スーパーはくと」が新設された際は、全列車が大阪発着で運転されていました。1996(平成8)年に山陰本線の一部を電化した際、京都から山陰本線経由で鳥取方面に直通する特急列車がなくなったため、代わりとして「スーパーはくと」を京都発着に延長した経緯があるのです。
また、「らくラクはりま」は平日の通勤時間帯に運転されていますが、沿線の通勤利用を狙った列車で、この列車も新幹線と性格が異なります。
さらに、京都~姫路間では新快速がおおむね15分間隔で運転されています。新快速の所要時間は「スーパーはくと」や「らくラクはりま」とほぼ同じで、運賃は2310円と新幹線の半額以下で済みます。
このほか、京都~新大阪間では東海道新幹線と特急「サンダーバード」が競合しています。「サンダーバード」は大阪から北陸方面を結ぶ特急列車として運転され、こちらも新幹線と在来線特急で列車の性格が異なっています。
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