「うちにある敵の兵器、いる?」 イスラエルが「拾った」ロシア製兵器をウクライナに供与提案 じつは“伝統的なやり方”って!?
イスラエルは2025年1月27日、ウクライナに対してイスラエルがレバノンの武装勢力から鹵獲したロシア製兵器の供与を提案しました。じつは、鹵獲兵器の活用は、イスラエルにとって十八番ともいえる芸当なのです。
ウクライナに鹵獲兵器の供与を提案
イスラエルのシャレン・ハスケル外務次官は2025年1月27日、ウクライナのエフへン・コルニチェクイスラエル駐在大使と会談を行い、その席でイスラエルがレバノンの武装勢力「ヒズボラ」との戦闘で入手したロシア製兵器のウクライナへの供与を提案しました。
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2024年10月にイスラエルはレバノン南部へ侵攻し、ヒズボラの軍事拠点を攻撃。その過程で、恐らくイラン経由でヒズボラに供与されたロシア製兵器を大量に鹵獲(ろかく/戦地などで敵の兵器などを奪うこと)していました。
イスラエル国防軍は国産やアメリカなどから輸入した兵器を使用していますので、ロシア製の兵器は不要なのですが、ウクライナ軍はロシア製兵器の扱いに慣れており、3年目に突入するロシアとの戦いで兵器を消耗しているウクライナにとっては、ありがたい話なのでしょう。
ウクライナはロシアとの戦いが本格化して以降、実戦で有用性が証明されたイスラエル製兵器の購入を希望していますが、イスラエルはロシアへの配慮などから自国製兵器の輸出を控えてきました。ここへ来てイスラエルがウクライナへの兵器供与に踏み切ったのは、ヒズボラとその背後で兵器を供与するイランをけん制する狙いがあってのことと見られています。
ウクライナからすれば、希望しているイスラエル製兵器ではないものの、同国から兵器を供与されたという実績は残りますから、念願のイスラエル製兵器の導入に向けた道筋をつけるという意味でも、願ったりかなったりなのではないかと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。
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