【交通と安全保障】「地下鉄乗るのに荷物検査」はやりすぎか 安全はプライバシーに勝る? 国々でも異なる考え方〈後編〉

前編では、交通システムの安全保障上のリスクを考えるには、「アセット」「脅威」「脆弱性」の3点セットから見る必要があることを述べました。後編となる今回は、対策するうえでの課題について考えてみましょう。

この記事の目次

・あちら立てればこちらが立たぬ… 課題が多い従来の取り組み

・各国、そして日本はどのような警備体制を敷いているか

・お互いケンカはしたくない でも互いに守りに入ると…

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前編を読む

あちら立てればこちらが立たぬ… 課題が多い従来の取り組み

 交通システムは我々の生活と社会にとって欠かせないものとして、便利で安全なものでなければいけません。このため、交通システムを事故や災害だけでなく、攻撃や悪用から確実に守ることが最も重要です。

 米国交通輸送調査委員会は、交通システムを守る基礎として、抑止(deter)、探知(detect)、拒否(deny)、軽減(mitigate)の4点を挙げています。これらを確立するには、精強即応な防衛と治安能力、国の法規制や基準の整備、危機管理と対応策の構築はもちろん、政・官・民の連携に加え、国家間の連携や協力などの取り組みが不可欠です。しかし、この交通の安全の取り組みには大きなジレンマがあります。

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「国家対テロ総合訓練」で航空機に乗り込む特殊部隊(画像:韓国国務調整室対テロセンター)

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Writer:

長野県佐久市出身。東京国際大学国際戦略研究所准教授。アトランティックカウンシル上席研究フェロー、パシフィックフォーラムスコウクロフト戦略安全保障センター上席客員フェローなどを兼任。幼少期からイギリス、オーストラリア、韓国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、米国などで過ごし、防衛政策・戦略・計画、安全保障、交通政策を専門とする。主著に『Defense Planning and Readiness of North Korea: Armed to Rule』(Routledge)、『2030年の戦争』(日経BP)など。Instagram/X: @tigerrhy

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