刀に隼、蘭に薔薇!? スズキの「和名バイク」8選 やっぱり独特すぎる!

名だたる日本のバイクメーカーの中でも、スズキは自社製バイクに数々の「和名」をつけてきたことで知られています。いずれも個性的なモデル名ばかりですが、なかでも特徴的なものを8つピックアップしてみました。

究極のスポーツバイクといえば…

●Hayabusa(GSX1300R)(1999年)…鎧兜をモチーフとした究極のスポーツバイク

KATANAシリーズと入れ替わるかのように、1999(平成11)年に輸出車として登場したのがHayabusa(GSX1300R)です。鎧兜をモチーフにしたデザインで、高い空力特性とライダーへの防風効果を徹底的に追求しました。

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鎧兜をモチーフにデザインされたHayabusa(GSX1300R)、1999年。KATANAシリーズと入れ替わる格好で登場。(画像:スズキ)

 ヘッド位置を低くし、空力特性に優れたフレームを採用したコンパクトボディに、サイドカムチェーン式の直列4気筒1300ccDOHCエンジンを搭載。優れた放熱性と耐摩耗性を持つSCEMシリンダー、2ステージインジェクション、SRADラムエアーシステムなどの最新技術を投入し「究極のスポーツバイク」を目指したと言われています。

 2008(平成20)年にフルモデルチェンジし、2014(平成26)年には国内モデルであえる隼(ハヤブサ)もリリース。ここで完全なる和名となり、人々の記憶にインパクト与えました。

●イナズマ1200(1998年)…稲妻のようなインパクトある乗り味を実現

 見た目的には普通の4気筒バイクですが、400ccモデルとほぼ同等のサイズ感でありながら1200ccエンジンを搭載したのが、1998(平成10)年に登場したイナズマ1200です。

 100PSの最大出力にして4500rpmという低回転で10.0kg-mの最大トルクを出す、スズキ独自のDOHCエンジンを搭載。まさに稲妻のような乗り味を感じられるビッグネイキッドで、この和名に相応しい1台でした。

●チョイノリ(2003年)…カジュアルな和名で登場した破格の低価格スクーター

 2003(平成15)年に登場したスクーター、チョイノリもカジュアルな和名が命名されたモデルです。国内生産にして「5万9800円」という破格値で登場し、基本設計の段階から「ボルト・ナット類約5割削減」など際限までコストカットを行い話題になった1台です。この名の通り、ライトユーザー向けの1台で、「チョイとだけ乗る」マシンとして相応のヒットに至りました。

※ ※ ※

 ここまでの通り、スズキでは二輪黎明期からすでに「和名モデル」をリリースしてきたわけですが、排気量の大小を問わず「このモデルこそ世に強く広めたい!」といった場合にこそ、和名を名付けてきたように思います。

 和名をつけたバイクはスズキの他にカワサキなどにも存在しますが、やはり刀や隼などの強い存在感から「和名モデルといえばスズキ」的な印象もあります。「横文字=カッコ良い」というきらいは、バイクユーザーのみならず、今日もなお多くの日本人が潜在的に持ち得ている感性だと思いますが、それを飛び越えて独自路線を貫くスズキの独創性が、コアなファンを生み出す理由の一つのようにも思います。

【コレダったのか!】スズキ「初の和名バイク」&歴代モデルを写真でみる

Writer:

1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。

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